栄養相談では、正しい情報を伝えるだけでなく、患者さんが生活の中で続けられる形に置き換えることが大切です。しかし、食事量、栄養バランス、減塩、たんぱく質など、伝えたい内容は多く、短い相談時間ですべてを説明するのは簡単ではありません。
JADECの食事療法小冊子シリーズは、写真やイラスト、身近な食品の例を用いて、医療者が伝えたいことと患者さんの困りごとをつなぐツールです。食事療法の基本を扱う「あいうえお」、腎機能低下時の食事を扱う「かきくけこ」、筋肉の維持を扱う「さしすせそ」。
3冊に共通するのは、無理なく続けられる工夫を具体的に示していることです。
JADEC 食事療法 小冊子シリーズ


小冊子を使って会話が進みます
患者さんの困りごとを聞きます。
「食事で困っていることは何ですか」と尋ね、患者さんが気になっていることと、医療者が伝えたいことを整理します。
優先課題に合う一冊を選びます。
食事の基本、腎臓、筋肉のうち、現在の課題に合うページを開いて話を進めます。
今の食生活に当てはめて考えます。
写真や食品例を一緒に見ながら、普段の食事でできていることと、取り入れられそうな工夫を確認します。
各小冊子の特徴と活用のポイント
あいうえお - 食事療法を毎日の生活に置き換える

「あいうえお」は、ダイアベティスの食事療法を毎日の生活に取り入れるための手引きです。食べる量、栄養バランス、食べるタイミングや食べ方といった基本に加え、テイクアウト、時短メニュー、夕食が遅くなる日、食費の工夫、果物や嗜好品との付き合い方まで、実際に困りやすい場面を取り上げています。食事記録や体重、検査値と結びつけて振り返ることで、患者さん自身が生活習慣を見直し、無理のない行動目標を考える際に活用できます。
この一冊のポイント
食事療法の基本を、続けられる生活習慣へつなげるための導入編です。
かきくけこ - 腎臓の状態に合わせて食事を考える

「かきくけこ」は、まず自分の腎臓の状態を知り、腎機能に合った食事を考えるための小冊子です。腎症の進行と治療、腎臓病をまもるために、エネルギーの確保、血糖・血圧管理、減塩、たんぱく質やカリウムの考え方を、モデルメニューとともに確認できます。低たんぱく質食品、外食、コンビニ、飲酒、間食なども扱っており、制限の説明だけでなく、腎機能に合わせて食事療法に取り組むための相談に活用できます。「かきくけこ指導箋」も参照して下さい。
この一冊のポイント
腎臓の状態を共有し、減塩をはじめとする必要な工夫を取り入れるための実践編です。
さしすせそ - 食事と運動で筋肉を守る

「さしすせそ」は、サルコペニア予防、十分なたんぱく質、続けられる運動、セルフケア、それぞれのペースを柱に、食事と運動をまとめた小冊子です。1日3食、食品やおかずの選び方、運動をすることの重要性を紹介し、体重減少や筋力低下がみられる方に「血糖マネジメント」だけではない筋肉を守るための食事療法を伝えます。
この一冊のポイント
食事と運動の両面から、筋肉を守りサルコペニアにならないための予防編です。
日々の栄養相談で、まず一冊を
小冊子は、知識を伝えるためだけの資料ではありません。患者さんと医療スタッフが同じページを見ながら、普段の食事に置き換えて考えることで、短い相談時間でも話の焦点を合わせやすくなります。診察室、栄養相談、薬局、地域の保健指導などで、患者さんの課題に合う一冊を、継続的な対話のきっかけとしてご活用ください。
小冊子の入手について
ダイアベティスのある方やご家族は、受診先へご相談ください。
医療関係者は、JADEC事務局から入手方法の案内を受けることができます。

