日本糖尿病協会は、「1型糖尿病移行期医療合同委員会」(日本糖尿病学会・日本小児内分泌学会・日糖協)の一員として、小児期発症の1型糖尿病患者さんが成人期医療にスムーズに移行することができるよう、様々な取組みを行っています。
1型糖尿病の成人期医療移行チェックリスト
合同委員会の取組みの一環として、このほど「1型糖尿病の成人期医療移行チェックリスト」が完成しました。
このチェックリストは、主に小児科で利用されるもので、患者さんが受診先を小児科から内科に変更する際に、「ここまではできるようになっていてほしい」という到達度を診療項目別に5段階で評価するものです。そして、成人期医療への移行をスムーズに行うには、患者さん本人だけでなく保護者の理解も必要になることから、チェックリストは、患者さん本人の到達度を見るものと保護者の到達度を見るものの2種類が用意されています。
医療者と患者さん・ご家族が一緒に話しあえる目標としてこのチェックリストを活用いただき、糖尿病患者さんの治療がよりよいものになることを願っています。
■ 成人期医療移行チェックリスト
移行期医療コーディネーター制度
日本糖尿病協会では、「移行期医療コーディネーター制度」を発足しました。
全国を7つのブロックに分けて、小児科と内科の橋渡しを快くしてくださる内科の先生方にコーディネーターの役割をお願いしました。この先生方は、小児糖尿病キャンプの活動などを通じて地域の小児科医と内科医(糖尿病専門医)に広い人脈をお持ちで、インスリンポンプやCGMなど、先進の医療知識も豊富です。
また、その地域以外の糖尿病専門の内科医をさがすことにも長けておられます。コーディネーター間の連携もとれるため、それぞれの情報をフルに活用して対応していただくことになっています。
1型糖尿病患者さんが、小児科から内科へ移る際、または進学・転居等で新しい場所に移った際など、どの医療機関を受診すべきかわからない時は、主治医にご相談ください。そして、そこで解決できない場合に、主治医の先生に、お住まいの地域のコーディネーターの先生方にご相談いただくようお伝えください。主治医の先生から転居先の地域のコーディネーターの先生に直接ご連絡していただいてもけっこうです。
なお、コーディネーターは、担当するエリアの1型糖尿病を診療できる医師の情報を持ち、依頼者である患者さんと受け入れる医療機関の調整を行う役割を担います。相談を受けた患者さんを直接診療する場合もありますが、基本的には患者さんの要望に沿う医療機関を紹介するという行為に留まることをご承知おきください。