日本糖尿病協会

患者さんへ

被災地での栄養管理

Last Update:2016年12月13日

避難時の食事は糖尿病の管理にもっとも重要です。非常食や配給食に依存しつつも、限られた食事で可能な限り糖尿病の自己管理を行うことが、避難解除後の糖尿病管理に大きく影響を与えます。以下に災害避難中および避難解除後の栄養管理について紹介します。

災害避難中の栄養管理

  1. 食事量が少なく空腹感が強くなりストレスを増強してしまいます。限られた食事をできるだけよく噛み、時間をかけて食べることで満腹感を最大限得ることができます。また、時間をかけて食べることで血糖の急激な上昇を抑えることができます。
  2. パンやおにぎり、カップラーメン、お菓子など炭水化物を多く含む食品がどうしても多くなってしまいます。これらは重要なエネルギー源ですが、その一方で血糖を上げる食品でもあります。食事の中にたんぱく質を含む食品(肉類や卵類、乳製品類、等)や野菜類がある場合は、それらを先にゆっくりと噛んで食べ、炭水化物を後に食べることで血糖の急激な上昇を抑えることができます。同時に満腹も最大限得ることができます。
  3. お薬を使用している人は、使用しているお薬の種類と食事量にあわせたお薬の使用法を再確認してください。また、運動量にも十分気をつけてください(避難生活Q&A、糖尿病患者さんへ(運動)参照)。

災害避難解除後の栄養管理

災害避難中は、通常より少ない食事が続いていたため、食物に対する吸収が増加しています。またストレスも非常に高くなっています。これらの心身に及ぼす影響は避難解除後の血糖コントロール、さらに血圧やLDLコレステロールを悪化させるため、糖尿病合併症を進行させる原因となります。可能な限り早い段階で医療施設に行き、適切な検査および栄養指導を受けることが極めて重要です。

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