日本糖尿病協会と日本糖尿病学会は、災害から糖尿病患者さんを守る取り組みを強化します。
このほど、日糖協と日本糖尿病学会は、「糖尿病医療支援チーム」(DiaMAT)を創設し、災害が起きる前の防災教育から発災時の支援まで、トータルに糖尿病患者さんを災害から守る仕組みを整えることになりました。
DiaMATの構成・組織
DiaMATを構成するのは、日糖協、日本糖尿病学会を中心に、各地域の糖尿病協会や糖尿病学会地区支部とその関係者、そしてCDEJやCDELの有資格者です。
地域におけるDiaMATの組織
地域ブロックおよび各都道府県に組織を構成します。地域ブロックの責任者は日本糖尿病学会の支部長が、副責任者は日本糖尿病協会の支部理事が務め、さらに各県の糖尿病学会の代表と都道府県糖尿病協会の会長支部長が中心となり、各県の医師会や行政と連携をとりながら、専門医、連携医、CDEJ、CDELをメンバーとしてチームを形成し活動にあたることを想定しています。
関連団体との連携
DiaMATが活動するためには、行政や医師会、患者のネットワーク、他の学会などの様々な組織に認知され、災害医療教育を実践していくとともに、サポートをいただけるように平時より顔の見える関係を構築していくことが重要と考えられます。
DiaMATの活動
DiaMATの活動は3つの分野で行われます。
防災教育
(医療者向け)
DiaMATの構成メンバーとなる医療者に対し、災害医療の学習資料提供や講習会開催により、知識習得を促進します。DiaMATへの認定・登録制度を整備します。
(患者向け)
発災時から避難所生活まで、非常時の糖尿病管理に関する資材を作成し、継続的な学習を促します。
下記に日糖協制作の資材をまとめています。
平時の災害への備え
発災時に特に影響を受けやすい1型糖尿病患者およびインスリン依存状態にある患者さんを把握し、患者さん同士、患者と医療者のネットワーク、電子カルテ情報を活用した医療機関間の情報ネットワークなどを構築することを目指します。
発災時の支援
災害発生直後の超急性期にはインスリンの供給やインスリンや内服薬に関するアドバイスや低血糖・高血糖に対する治療が求められると予想されます。
亜急性期から慢性期にかけては、被災者への直接的支援による合併症への対応や合併症進展予防に加えて、適切な治療継続や定期受診も促します。
このように災害時の糖尿病患者さんへの支援は、急性期以降慢性期に至るまで長期間必要となります。各フェーズで必要な支援の内容が異なるため、ニーズにあった支援の提供を目指します。