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CDELが抱える課題に対する取り組み

Last Update:2025年1月27日New

CDELが抱えている課題に対し、これまでにブロック別運営連絡協議会やCDE meetingで出された提案や取り組みをご紹介いたします。

資格取得者の活動の場とモチベーションの維持

資格を取得しこれから頑張ろうという気持ちがあっても、慌ただしい毎日の中でモチベーションを維持するのは難しいですよね。資格を持ち続けることに価値を見出せなくなるなってしまい資格更新をされない方もいます。

今回は、モチベーションをどのようにしたら維持出来るのか改めて確認していき、実際に行動されている団体の内容もCDEネットワーク会議議事録から抜粋し、項目に沿ってご紹介したいと思います。

「モチベーションを維持するためには」と検索すると、動機付けと自己効力感を高める働きかけが用いられているものが多くありました。

動機づけ

動機付け(目標に向かって行動を起こし、その状態を維持・調整する過程や機能)では、2つが出されています。

1.外発的動機付け

評価や賞罰、報酬、待遇など、外部からの刺激によって行動への意欲が高まる

  • 表彰制度を設ける(東京、栃木)
  • CDE手当の支給、給与アップ、申請料や更新料の支援
  • World Diabetes Dayや友の会、ウォーキングなどのイベント参加に単位を付与する
  • 更新を重ねた場合(例えば4回以上)は単位取得不要とする
  • 地元の新聞社やテレビ局などのマスコミにCDELの活動を取り上げてもらう
  • ボランティア活動ではなく、会議などは勤務時間内に行うようにする

2.内発的動機付け

興味、関心、向上心など、自分の内面から沸き上がり自発的な行動を引き起こす

外発的動機づけは即効性がありますが、その刺激に慣れると意欲が低下するため短期的で、内発的動機付けは自分で目標を設定し、達成するために行動が持続するので長期的です。外発的動機付けをきっかけに内発的動機付けに移行することもあり、組み合わせることでより効果的に動機づけを強めることができるとされています。

自己効力感

人が行動を起こすためには、
自己効力感(自分にはその行動をする力がある)+結果期待(その行動をするとよい結果が生じる)が、なくてはならない要素とされていています。
その中で、自己効力感を高める働きかけでは、4つが用いられています。

1.遂行行動の成功体験:その行動をやってみて「できた!」という体験

  • 表彰制度を設ける(東京、栃木)
  • CDE手当の支給、給与アップ、申請料や更新料の支援
  • 世界糖尿病デーや友の会、ウォーキングなどのイベント参加に単位を付与する
  • 更新を重ねた場合(例えば4回以上)は単位取得不要とする
  • 地元の新聞社やテレビ局などのマスコミにCDELの活動を取り上げてもらう
  • 糖尿病教室、劇場、実技などに参加してもらう
  • ホームページでCDELの活動を紹介する
  • 市町村など行政と連携して活動を広げる
  • 所属医療機関の長や所属上長などの理解を得る
  • 役員や委員の定員数を年代ごとに設定する
  • 研修会や講演会の企画、演者、コメンテーターなどの役割を担ってもらう

2.代理的経験(モデリング):その行動を上手にやっている他の人を見るという体験

  • CDEL団体主催の講演会や研修会で、会場準備、受付、補助など手伝いをしてもらう
  • 屋根瓦方式の教育制度(島根)資格取得後2年間は時期受講生の研修サポートが義務
  • 糖尿病教室、劇場、実技などに参加してもらう

3.言語的説得:色々な人から説明を受け、励ましを受ける体験

  • CDEL主催の勉強会や交流会を専門医不在でも自主的に行う
  • 次世代ミーティング(長野)連絡協議会に若い世代にも出席してもらい意見を伺う
  • 研修会などで積極的に発言する人などに働きかける
  • 若手医師の参画を促し、啓発活動を行う

4.生理的・情動的状態:その行動をしてもドキドキしない

  • CDEL団体主催の講演会や研修会で、会場準備、受付、補助など手伝いをしてもらう
  • 糖尿病教室、劇場、実技などに参加してもらう
  • CDEL主催の勉強会や交流会を専門医不在でも自主的に行う
  • 腎症重症化予防、食事・運動療法の支援などでスキルを活かしてもらう
  • 次世代ミーティング(長野)連絡協議会に若い世代にも出席してもらい意見を伺う
  • 屋根瓦方式の教育制度(島根)資格取得後2年間は時期受講生の研修サポートが義務

外発的動機付けで得られた評価や、期待されていることへの興味関心がわき、内発的動機に繋がります。また交流会など自分の意見を承認してもらえる場や、意思決定の機会を与えられることも内発的動機に繋がりやすいと言われています。

今回は、モチベーションの維持についてご紹介させていただきましたが、環境によって実践するのは難しいことも多いと思います。まずは出来そうなこととして参考にしていただけたら幸いです。また、実践されている取り組みがあれば是非教えて下さい。悩んでいる方々にとって解決の糸口が見つけられる場になれるように、少しでもお役に立てる情報をお届けしたいと思っていますので、よろしくお願いします。

CDELのモチベーション維持、向上のための方策

2021年CDEミーティング

  • 表彰制度を設ける(東京、栃木):評価的インセンティブ
  • CDE手当の支給など:金銭的インセンティブ
  • 地元新聞社やテレビ局などのマスコミにCDELの活動を取り上げてもらう
  • CDEL団体主催の講演会や研修会の際に会場準備、受付、補助など手伝いをしてもらう

2023年CDEミーティング

  • CDEL主催の勉強会や交流会をおこなう(専門医不在でも自主的に開催)
  • 市町村など行政と連携して活動を広げる
  • 給与アップ、申請料や更新料の支援
  • 糖尿病教室、劇場、実技などに参加してもらう
  • 腎症重症課予防、食事・運動療法の指導や支援などでスキルを活かしてもらう
  • 所属医療機関の長や所属上長などの理解を得る

2024年CDEミーティング

  • 友の会やウオーキングイベント、世界糖尿病デーなどイベント参加に単位を付与する
  • 更新を重ねた場合(例えば4回以上)は単位取得不要とする
  • ホームページでCDELの活動を紹介する

CDEL養成団体役員の世代交代

2021年CDEミーティング

  • 屋根瓦方式の教育制度(島根):資格取得後2年間は次期受講生の研修サポートが義務(CDEL団体主催の講演会や研修会の際に会場準備、受付、補助など手伝いをしてもらう)
  • 「次世代ミーティング」(長野):連絡協議会に若い世代にも出席してもらって意見を伺う
  • 役員や委員の定員数を年代ごとに設定する(例えば、30歳代〇〇名、40歳代〇〇名など)
  • 研修会や講演会の企画、演者、コメンテーターなどの役割を担ってもらう
  • ボランティア活動ではなく、会議などは勤務時間内に行うようにする

2022年CDEミーティング

  • 役員が退任するときは、後任者を推薦させる
  • 役員希望者を募集する
  • 研修会などで積極的に発言する人などに働きかける
  • 若手の医師の参画を促すことが重要 啓発活動をおこなう

CDELの活動の場とモチベーションの維持

1.何らかのインセンティブを設ける

  • 表彰制度:東京、栃木
  • 東北信では更新の際、地域活動レポートの最優秀賞を表彰(会誌、式)
  • 金銭的なインセンティブ: CDEL団体からの手当、交通費の支給
  • 所属病院からの手当や昇給などには上層部への周知が必要: 治験の研究研修費など

2.イベント

  • CDEL団体主催の講演会・研修会での役割分担
  • 専門医不在でもCDEだけでイベントを企画できる
  • CDEの劇団: 東北信ではトーシンズ
  • 友の会活動、世界糖尿病デー、ウォークラリーへの参加を単位とする
  • 行政と連携した活動: 重症化予防のキャンペーン活動
  • 大分では地域の団体からイベントの依頼が来る

3.世間への周知

  • マスコミ(地元新聞社、テレビ局)にCDELの活動を取り上げてもらう
  • HPやYouTubeを利用する

4.その他

  • 一定の更新以上になれば単位取得を免除する

 

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