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理事長ごあいさつ ~日本糖尿病協会からJADECへ

Last Update:2024年6月14日
清野 裕

JADEC(公益社団法人 日本糖尿病協会)
理事長 清野 裕

関西電力病院 総長
関西電力医学研究所 所長
京都大学名誉教授
アジア糖尿病学会(AASD)理事長

このたび、理事会において代表理事に再任され、歴史ある日本糖尿病協会の理事長としての私の仕事も、21年目を迎えることになりました。引き続き、皆さまからのご支援とご協力を賜りたく、何卒よろしくお願い申し上げます。

さて、私が理事長に就任した2004年以降、糖尿病の治療は薬剤や医療機器の進歩により、大きく発展しています。適切な治療を継続すれば、糖尿病のない人と変わらない毎日を送ることができ、病気が寿命に影響することもなくなってきています。

しかし、私たちが生活する社会の認識はどうでしょうか。「糖尿病がある」と言うと偏見の目で見られる、入学や就職、結婚等のライフイベントで不利益を被る、希望する保険に加入することができない、といった困難は、まだまだ解消されたとは言えません。

これはなぜか。この20年、社会の価値観や規範は少しずつ変化しているのに、なぜ糖尿病はいつまでも色眼鏡で見られてしまうのか。私たち日本糖尿病協会がこの20年間に行ってきた様々な啓発活動は、糖尿病の発症を増やさないという点では一定の成果を挙げているものの、糖尿病のある人達に対する偏見を克服するという点では十分な活動ができていなかったのではないかと省みる次第です。

糖尿病のある人は、予備群を含めると2,000万人。決して特別な病気ではなく、誰もが発症する可能性のある病気です。糖尿病のある人は、あなたと同じ普通の生活者なのです。

私たちは、今後、糖尿病のある人が安心して治療を続けるためのアドボカシー活動をさらに強化し、「糖尿病があっても色々な人がそれぞれの立場できちんと生活できている」ということを社会に伝えていきたいと考えています。そして、この病気の偏見を生む要因のひとつが「糖尿病」という病名にあるのだとすれば、今の時代にあった呼び方にアップデートしていきたいと考えています。

こうしたアクションをしっかりと社会の皆さんにお伝えするため、日本糖尿病協会は、団体の呼称を、漢字表記から英語表記の頭文字をとった「JADEC」に変更することにいたしました。そして、糖尿病の正しい疾患概念と治療の啓発イメージを、JADECそして「ダイアベティス」という響きに集約したいと考えています。

これからも、JADECのアドボカシー活動にお力添えをいただき、糖尿病のある人がいきいきと暮らすことができる社会をご一緒に作って参りましょう。

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