日本糖尿病協会

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経口糖尿病治療薬(インクレチン関連薬を含む)投与に関する実態調査研究(UNITE Study)

Last Update:2016年12月14日

糖尿病治療として早期からの厳格な血糖コントロールが合併症の発症やその予後に良好な影響を及ぼすことは,各国で実施された大規模臨床試験で証明されてきております。また,血糖コントロールの方法として食事・運動療法に加えて種々の薬剤が使用されております。

経口糖尿病治療薬として,古くより使用されていた第1,2世代のSU薬とメトホルミンに加えて,α-グルコシターゼ阻害薬,第3世代のSU薬,超速効型インスリン分泌促進薬とピオグリタゾン等の新しい薬剤が発売され,臨床の場で使用されております。しかし,多くの薬剤が使用されているにもかかわらず血糖コントロールが不十分な患者の割合は,未だに多いと報告されているのが現状です。

今回,インクレチン関連薬として新規作用機序のDPP-4阻害薬が新たな選択肢として加わることとなりました。インクレチン関連薬は,血糖依存的な血糖降下作用が期待でき,従来の経口糖尿病治療薬の問題点(膵β細胞の疲弊,低血糖,体重増加等)を引き起こすことなく長期的な管理ができる可能性があると言われています。しかしながら,日本人での有効性と安全性に関して充分なデータの蓄積はなく,診療実態下での大規模な調査が必要であると考え今回の調査を企画しました。この調査によって日本人の糖尿病治療の向上に大きく寄与できるものと確信しております。

(研究計画書)

(研究概要)

1:目的

従来の糖尿病治療薬にない新規作用機序の薬剤(インクレチン関連薬を含む)の通常診療下における有効性と安全性を検討する。

2:調査の分類

医師による市販薬の自主的な実態調査

3:対象

1) 選択基準(以下のすべての項目を満たす患者を対象とする)

  • 2型糖尿病と診断されている患者
  • 年齢20歳以上の患者
  • 通常診療下で新規作用機序の経口糖尿病治療薬(インクレチン関連薬を含む)を投与開始した患者
  • 食事療法,運動療法を実施している患者

2) 除外基準

  • インスリン製剤使用中の患者
  • 1型糖尿病患者
  • 治験薬投与中の患者
  • 妊婦,妊娠希望の女性及び授乳婦
  • その他,担当医が本調査を実施するにあたり不適切と判断した患者

4:調査デザイン

経口糖尿病治療薬(インクレチン関連薬を含む)が投与され,上記選択基準を満たした症例を追跡調査する。

経口糖尿病治療薬(インクレチン関連薬を含む)投与開始⇒選択基準照合⇒登録(調査票記入)

登録6ヶ月後に集計し、その結果から本調査の継続の可否を判断する。

5:調査項目:以下項目を調査表に記入する。

  • 患者背景(患者登録番号,年齢,性別,身長,体重,糖尿病推定発症日,糖尿病以外の疾患既往歴,従来の経口糖尿病治療薬歴,新規作用機序の糖尿病治療薬投与量および投与開始日など)
  • 追跡項目(HbA1c,血糖,体重,血圧,総コレステロール,LDL-コレステロール,HDL-コレステロール,空腹時トリグリセリド,糖尿病治療情報,糖尿病治療薬による副作用,糖尿病合併症情報など)

6:試験実施期間

登録期間:
 平成22年4月~平成23年3月の1年間とする
追跡期間:
 全症例が6ヶ月を経過した時点で集計・解析し,調査期間延長の可否を判断する。最長2年間の調査とする。

7:目標症例数

登録症例数:10,000例を目標とする。

8:実施医療機関

(社)日本糖尿病協会所属会員を中心とする糖尿病臨床医に調査協力を依頼し,そのうち当研究の主旨を承諾した医療機関の医師1,000~2,000施設を想定(1施設5~10例の登録を想定)

9:研究協賛

小野薬品工業株式会社

協賛企業担当者が日本糖尿病協会の依頼として事務局へのデータ送付のお願いに上がる場合がございます。

お問合せ先

公益社団法人日本糖尿病協会 事務局

TEL:03-3514-1721

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