日本糖尿病協会

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「糖尿病の病名に関する意識調査」報告(ダイジェスト)

Last Update:2016年5月18日

日本糖尿病協会は、鈴木万平財団助成による調査研究事業をおこなっています。昨年、その一環として、「糖尿病の病名に関する意識調査」を以下の内容で実施しました。

実施日: 平成19年10月6-7日
実施場所: 第6回全国ヤングDMカンファレンス(北海道)
調査対象: カンファレンス参加者のうち以下の調査に参加くださったのは1型糖尿病 52名、家族2名、医療関係者等13名の、合計67名(男性15、女性51、不明1)。
調査内容: カンファレンス会場で、2回のアンケート調査した。
「アンケート1」はカンファランスに先立つ調査で、病名に対する現在の心境を書いてもらった。その後、武田(協会小児糖尿病対策委員会担当)理事と内潟委員による糖尿病という病名の成り立ちの歴史、昨今の世界的な糖尿病に対する啓発運動などのミニレクチャーを受けた。グループに分かれてディスカッションを実施した。グループごとの議論を発表後、病名に対する思いがどのように変化したかを「アンケート2」に記入した。

調査結果(要約)(67名全員)

現在の心境を記入するアンケート1では、糖尿病という病名に対して、「気になる」、「非常に気になる」をあわせた回答数は約50%を占め、「変えてほしい」という意見も約半数を占めました。「変えてほしい群」は30歳代に多く、罹病期間11~19年の患者に多く見られました。一方、年齢が上がると、病名に関して忖度しない考えをもっていたり、あまりこだわりを持っていないことがわかりました。

ミニレクチャー、ディスカッション後のアンケート2では、「変えてほしい」は30%に減少し、「別に(気にならない)」の意見が1回目の43%から60%に上昇しました。ミニレクチャーとディスカッションの前後の変化を評価すると、討論後では、病名についてもう一度考えてみよう、そんなにこだわることでもないのかな、という気持ちが生まれたようです。

グループごとのディスカッションの結果から、「病名を論じる以前に1型糖尿病と2型糖尿病の違いを理解してもらうことのほうが重要」と考える方が多いことがわかりました。「病名が変わったとしても、例えば1型糖尿病を説明するとなると結局は“糖尿病”という言葉に言及せざるを得なくなり、病名変更の意味がなくなる」、「それよりも、医療従事者を含め、社会全体がもっと1型糖尿病と2型糖尿病の違いを理解してほしい」という意見でした。

病名に関する議論は、今年度も全国ヤングDMカンファレンスの場などを活用して継続して行っていく予定です。

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