日本糖尿病協会

小児糖尿病キャンプ紹介

小児糖尿病キャンプ紹介

Last Update:2018年9月5日
福井県
福井県小児糖尿病サマーキャンプ

福井県小児糖尿病サマーキャンプは、毎年8月に2泊3日で行っており、2018年で第30回を迎えました。幼児から高校生まで特に制限なく参加を受け入れており、また、患児のきょうだいも一緒に参加することが可能です。当キャンプでは、「仲間との出会い・交流」を目標とし、初めてで不安いっぱいの参加者でもスムーズに輪の中に入って、笑顔で3日間を過ごせるような雰囲気を大切にしています。
毎年恒例の野外炊さん、おやつ作り、肝試しなどの他、川遊び、サイクリングなど、自然の中での活動を楽しんでいます。17年は、レクリエーションスタッフである福井大学カヌー部員の指導の下、北潟湖(あわら市)でのカヌーにチャレンジしました。「糖尿病教室」では、薬剤師となったOBが担当し、自らの経験を踏まえて子どもたちにも分かりやすく指導を行っています。
このキャンプでの出会いが参加者の皆さんの一生の宝物となるようなキャンプを、これからも続けていきたいと思います。

福井大学医学部小児科
畑 郁江

京都府
滋賀県
京都滋賀つぼみの会 サマーキャンプ

当会のサマーキャンプは2018年に36回目を迎え、以前は4泊5日で開催していましたが、ここ10年間は1日短い3泊4日での開催となっています。毎回、キャンパー25~30人程度、スタッフ100人ほどで開催しております。
当会は京都府と滋賀県の1型糖尿病患児を対象とし、京都府糖尿病協会のバックアップの下、患者会が主となってキャンプを運営しています。保護者の同伴を認めず、患児のみの参加となっており、患児同士が互いに経験を共有し、大きなお姉さん、お兄さんが低学年の子どもたちの面倒を見るキャンプとなっています。
具体的には、高校生のメンバーがグループリーダーとなり、大学生以上はカウンセラーとしてキャンパーをまとめ、小さな子どもたちの注射や血糖自己測定なども、自分たちが小さかったときにお世話になった経験を基に優しく見守り、指導してくれています。京都滋賀つぼみの会のサマーキャンプは、子ども同士が仲良くサマーキャンプを進めていく体制で、これからも実施してまいります。

京都滋賀つぼみの会 会長
岡 京磁

東海地区
東海地区小児糖尿病サマーキャンプ

東海地区での小児糖尿病サマーキャンプは、1974年以降毎年開催され、2018年で45回目を迎えます。小学2年生以下のミニキャンプ(1泊2日、つぼみの会運営)と小学3年生以上の本キャンプ(4泊5日)を同時に開催し、OB・OGであるポストキャンパーを含めると、100人以上の1型糖尿病を持つ子どもたちが集う仲間づくりの機会となってきました。
企画運営は、医療者と学生が、多施設・多職種連携により行います。「キャンパーファースト」をモットーに、楽しみながら学べる企画を1年間かけて準備します。近年では、祭り、流しそうめん、パーティー料理など、インスリン自己注射の量やタイミングを考える食事や、登山や災害体験など日常生活にない状況への対応を、自ら考え、教え合う機会を作っています。「こういうときはどうするの?」という保護者からの素朴な疑問を企画として実践し、日常生活や診療現場に生かす工夫をしています。

東海地区小児糖尿病サマーキャンプ
研究会世話人
貝沼圭吾

香川県
せとっ子の会 スプリングキャンプ

当キャンプは、全国の小児糖尿病キャンプの中で唯一の「スプリングキャンプ」として毎年3月末に3泊4日の日程で開催しています。せとっ子の会が産声を上げたのは1982年9月12日。「香川でも小児糖尿病キャンプを持とう」という共通の思いから誕生し、36年目を迎えました。
全国で唯一のスプリングキャンプですが、今までに「サマーキャンプに変更を」という意見がなかったわけではありません。しかし、春休みに行うことにより、新しい学年や門出を迎えるに際して、心配なこと、困っていることを共有し、仲間がいることを再確認してもらい、不安を少しでも取り除く役割を担いたいとの思いから、今日に至っています。
せとっ子の会の一番の目的は「仲間づくり」です。それは子どもたちのみならず、キャンプに関わる全ての人が子どもの糖尿病をより理解するための輪を広げるためでもあります。安全に注意し、より楽しい時間を過ごしてもらうことを大切にしています。

四国こどもとおとなの医療センター
医療ソーシャルワーカー
福田育美

石川県
北陸小児糖尿病サマーキャンプ

当キャンプは2017年で第43回を迎えました。発足当時、北陸では石川県のみがキャンプを開催しており、富山県、福井県も加えた北陸3県の参加者が集まる一つのキャンプでした。キャンプ名の“北陸”はその名残りです。大所帯で4泊5日、とてもにぎやかなキャンプでした。現在は各県に分かれて実施されていますが、ポストキャンパーは、もともと参加していたこともあり、何年ぶりであっても実家を訪ねるかのように立ち寄ってくれます。現在のキャンプの雰囲気は、発足当初から自由“ゆるーい”と言われていますが、開催者としては“うれしい褒め言葉”だと捉えて継続しています。
キャンプで大切にしていることは、「人と人とがつながること」です。先輩、後輩、医療者、小中学校の教員、ライオンズクラブの方々、医療機器の専門家の方々、匠(たくみ)の技を持った人など、つながりを持てる人々は数え切れません。子どもたちだけではなく、ポストキャンパーも大人も、さまざまなつながりを得ています。今年もまた、楽しみな夏キャンプの時期を迎えます。

金沢大学医薬保健研究域保健学系
稲垣美智子

静岡県
わくわくファミリージャンボリー

2017年のキャンプ地は御殿場市にある国際青少年センター東山荘で、1泊2日、総勢94人で開催しました。キャンプの運営は家族会が行い、「家族も一緒に参加しましょう!」をコンセプトに、「笑顔」をテーマに準備を進めました。新しい友達との出会いがあったり、同じ病気の者同士にしか分からない気遣いがあったり、普段の生活では味わえない優しさがたくさんあったりと、笑顔いっぱいの楽しいキャンプでした。
キャンプが終了してから、患児のお母さんから、こんなメールをいただきました。「学校で自己紹介の時に『1型糖尿病です!』とちゃんと言えました。キャンプで仲間がいると分かり、とても力強かったみたいです。ありがとうございました」。一人では不安なことも「一人じゃない!」と思うことで勇気を出すことができた、とてもすてきなエピソードだと思います。
これからも、子どもたちのはじける笑顔いっぱいのサマーキャンプを作っていきたいと思っています。

静岡県つぼみの会 会長
鈴木俊基

富山県
富山DMサマーキャンプ

孤立しがちな家族への支援を重視し、対象は幼少児期から高校生まで幅広い年齢層とし、発症後2~3年以内の子の父母の参加も歓迎しています。2泊3日で「自立」を期待することは困難なので、子どもたちには「出会い・友情・信頼」を、父母の皆さんには「解放・安心・元気」を得ていただけるように、それぞれ別行事としています。子どもたちは立山登山、弥陀ヶ原(みだがはら)高原トレッキング、海水浴、運動会、OB・OGによる寸劇などで「遊んで、動いて、汗かいて、触れ合って、笑って」もらいます。父母向けには、丸1日かけての「糖尿病教室」と療養相談(経験豊富な父母によるピアカウンセリング、夜は懇親会でリラックス)を実施しています。父母の会「NPO法人補食の会」が結成され、キャンプ以外でも交流会や相談会を行っています。岐阜県高山市など富山県外も含めて多くの医療機関からのスタッフの参加があり、小児科医と内科・糖尿病専門医との連携の契機にもなっています。

大沢内科クリニック
大澤謙三

長野県
信州ぶらんこの会サマーキャンプ

信州ぶらんこの会は、看護学生が卒業研究で1型糖尿病の子どもの療養生活を知り、家族会とプレキャンプを始めたことがスタートです。会の名前には、「ぶらんこは自分でこぎ続ける限り動き続ける」ということから、“糖尿病の療養も自分の努力を続ければ自分らしい生活ができる”という意味が込められています。サマーキャンプは2017年で第35回を迎え、現在は3泊4日で実施しており、17人が参加しました。開催日近くになるとどこからともなくOB・OGから協力の連絡があり、子ども連れでキャンプに遊びに来てくれるのも、うれしいことです。
第35回のキャンプでは災害対応のシミュレーションを行い、知らない人に自分の病気やインスリンのことを真剣に話す子どもたちの姿が見られました。キャンパーのみの参加なので、初めは不安そうですが、最終日には成長した姿が見られ、多くのスタッフはそんな子どもたちに会うことを楽しみに、毎年参加しています。利用していた施設の閉鎖に伴い、次回の施設探しが大きな課題です。

信州大学医学部保健学科
信州ぶらんこの会事務局
栁澤節子

大阪府2
大阪くるみの会小児糖尿病サマーキャンプ

大阪くるみの会は、2007年に小児糖尿病福祉功労賞を受賞された小西和孝先生が1982年に創設し、35周年を迎えました。毎年ファミリーキャンプを実施していますが、子どもと親は別室で就寝し、小学生以下の子どもには看護学生がマンツーマンで付いてこの病気の勉強をしています。保護者にはこの病気の受け入れが難しい方もいますが、先輩保護者と会話したり他の子どもたちを見て安心し、笑顔で帰っていくのはファミリーキャンプならではだと思います。キャンプで自己注射に挑戦して成功する子どもも多く、最終日には会長から参加者全員に「自己注射できたで賞」などの賞状が授与されます。また、子どもたちの描いた絵が「思い出のサマーキャンプ スケッチコンクール」で3度もグランプリに輝き、Tシャツになって多くの子どもたちに着ていただけたことは驚きでした。
近年、キャンプの協賛金を集めることが非常に難しくなり、17年には初めて1泊減らして2泊3日の日程になりました。子どもたちから、キャンプが短くなり残念だとの声も聞き、憂慮しています。

大阪くるみの会 前会長
加藤茂康

大阪府1
大阪杉の子会なかよしサマーキャンプ

大阪杉の子会なかよしサマーキャンプは2017年で第36回の開催となりました。3泊4日で、参加者(患児とその兄弟)が約70人、スタッフが約100人参加しており、いつもにぎやかです。飯ごう炊さんやバイキングを積極的に取り入れ、バランスの良い食事の組み立ての練習をしています。インスリン量は、応用カーボカウント法でスタッフの補助の下、患児が自分で計算して決めています。また、「1型糖尿病とどう向き合うか」「自分のことを他者にどう伝えるか」などをテーマに、ロールプレーイング方式の勉強会をしています。いずれも、将来にわたって1型糖尿病とともに自立して前向きに生きていけるようになることを目標に行っています。
17年は、日本糖尿病協会の企画でチームノボ ノルディスクの選手が来てくださいました。一緒に自転車に乗ったり話したりして、とても楽しい時間を過ごすことができ、子どもたちの大きな励みになったことと思います。

大阪市立大学大学院医学研究科
発達小児医学
堀田優子

山梨県
やまびこの会サマーキャンプ

当キャンプは、8月の第1週に5日間、県内避暑地の施設で開催しています。参加者は、小学生~高校生までのキャンパーが約25人、スタッフ、OB・OGまで含めたキャンプ全体では約100人です。原則として家族の参加は認めていません。教師や医師・看護師、栄養士を目指す学生が一生懸命趣向を凝らした企画を練り、当日の進行も彼らが主体で行う、全てが手作りのとても楽しいキャンプとなっています。もちろん糖尿病の勉強もします! 自立も当然目指しています!
当キャンプの特徴は、県外にも門戸を広げていて、東京や神奈川などから参加してくれるキャンパーがいることです。全員に山梨の自然を満喫してもらっています。そのためか、おかげさまで約9割のキャンパーがリピーターとなっています。新宿から甲府まで特急で90分。東京方面にお住まいで、山梨の自然に興味のある方は、ぜひ参加してみてください。山と川に囲まれて楽しく学びましょう。お待ちしています。

山梨県立中央病院 小児科
齋藤朋洋

神奈川県
横浜つぼみの会サマーキャンプ

横浜つぼみの会サマーキャンプは、2017年の開催で35回を迎えます。場所は横浜駅から電車とバスを乗り継ぎ3時間、目の前に海が広がる横浜市少年自然の家南伊豆臨海学園(静岡県)で、3泊4日の日程で活動を行います。対象は小中学生で、保護者の付き添いはありません。
わたしたちのキャンプは「同じ病気の子ども同士が、生活を共有することで不安な思いを解消することができる」ことを主な目的としています。活動内容は海でのレクリエーションを中心に子どもたちが全力で遊べることを心掛けており、それに加えて1型糖尿病の勉強会や、ボランティアスタッフとして参加しているキャンプ経験者の高校生や大学生とのグループディスカッションも行っています。
キャンプは同じ病気を持つ仲間と周囲を気にせず、のびのびと過ごせる場であり、病気であるのが自分だけではないと実感し、また同時に親から自立し、病気に対して前向きになることができるすばらしい機会となっています。

横浜市立大学附属市民総合センター
小児総合医療センター
大杉康司

和歌山県
和歌山つぼみの会サマーキャンプ

1991年に近藤溪先生らの呼び掛けで始まった和歌山つぼみの会サマーキャンプは、数えて26回目を迎えました。現在は和歌山県立白崎青少年の家で、栄養教室、防災教室、ヤングを交えたディスカッションや野外炊飯、ドッジボール大会、海水浴、キャンプファイアなど、2泊3日の間に多くのプログラムを用意しています。
キャンパーは未就学児から高校生まで例年十数人が参加し、家族にも参加していただいています。重要なプログラムの担い手であり、キャンパーの相談・遊び相手として看護学生も参加していますが、その希望者も年々増加し、大変心強く思います。また和歌山大学教育学部の加藤弘先生が、ゼミの学生さんと共に参加してくださっていて、教諭を志す学生さんが1型糖尿病を理解する良い機会となっています。
キャンパーやそのご家族にとって楽しい交流の場となり、「また来年もここに来たい」と言ってもらえるような、サマーキャンプでありたいと思っています。

和歌山つぼみの会
坂頭節哉

埼玉県
埼玉サマーキャンプ

埼玉サマーキャンプは、1988年に県立寄居こども病院にて産声をあげました。最初は2泊3日の日程で、第2回から3泊4日で定着しています。宿泊施設は転々とし、年明けからの月例スタッフミーティングでテーマやその場所に合った楽しみ方を見つけ出し、形にしてきました。例えば、海のない埼玉からプール→川と1年ごとに準備を進め、2015年には千葉の施設に宿泊し、ようやく念願の海にたどり着きました。
例年、40人弱の小学1年生~高校3年生の子どもたちと70人程度のスタッフが参加し、子どもたち、スタッフ共にリピート率の高さが目立ちます。高校2年生以上の子はアシスタントスタッフとしてOB・OGスタッフになる準備を進め、学生スタッフは毎年代替わりで来てくれるので、多くの子どもたちとすでに仲良しの状態でスタートできるようになっています。
目新しい企画と伝統の企画を織り交ぜながら、30周年の節目となる今年も子どもたちの目を輝かせるため、スタッフが日夜準備に励んでいます。

埼玉つぼみの会サマーキャンプ事務局
松尾 勉

岡山県
岡山小児糖尿病サマーキャンプ

岡山小児糖尿病協会(岡山つぼみの会)では、毎年8月初旬にサマーキャンプを行っています。近年は岡山県青少年教育センター閑谷学校にて3泊4日で開催しており、2017年で42回目となります。岡山赤十字病院の方々を中心に、県内外の医療スタッフと学生ボランティアの協力の下、プール・キャンプファイア・工場見学などを行い、楽しい時間を過ごしています。
キャンプで一番力を入れていることは、同じ病気の仲間と交流し、絆をつくることです。キャンプ中に1型糖尿病に関する情報や悩みを共有して、つぼみの会を卒業した後でもつながりを持ち、助け合ってほしいと思っています。
二番目に力を入れていることはカーボカウントです。食事ごとにインスリンカーボ比とインスリン効果値を調整し、一日の終わりには血糖値を振り返って血糖コントロールを良くするための改善点を見つけ、キャンプ後の日常生活に役立てられるようにしています。今後も、より良い1型ライフを送るための助けとなるようなキャンプを続けていきたいと思います。

岡山小児糖尿病協会会長
多賀 徹

千葉県
千葉つぼみの会 Summer Camp

千葉県のキャンプは、小学4年生までの患児が家族と参加する“ファミリーキャンプ”と、小学5年生以上の患児が家族と離れて参加する“ヤングキャンプ”を、同時日程で開催しています。期間は3泊4日で、講義をはじめ、工作、クライミングウォール(写真参照)、飯ごう炊飯、キャンドルサービスなどのプログラムを行います。これだけプログラムが充実しているのも、多くのスタッフによる協力のおかげです。
キャンプ中、ヤングにもファミリーにも多くの成長が見られます。ヤングは“自立”を目指し、自分で考えて食事や体調管理をします。ファミリーでは、幼い患児や発症間もない患児が、周りから刺激を受け、自分でいろいろなことにチャレンジする姿が見られます。さまざまな年齢層の子どもがいるからこそ見られる光景ではないでしょうか。保護者も、情報交換や1型糖尿病の話題で話は尽きません。
初参加の時に、“こころが元気になるキャンプ”と紹介した方がいました。泣いたり、笑ったり、こころの励みになるキャンプだと思います。

千葉つぼみの会

広島県
広島もみじの会サマーキャンプ

1990年に広島ロイヤルライオンズクラブのご支援の下、広島県のキャンプが始まりました。2017年になった現在も、日本糖尿病協会と同じく毎年継続してご支援いただき、感謝しております。
わたしたちのキャンプは、OB・OGを中心に学生ヘルパーが運営を行い、盛り上げています。90年は参加者13人、総勢51人で2泊3日のこじんまりとしたキャンプでしたが、03年からは参加者が30人を超えるようになり、十数人のOB・OG、約50人の学生ヘルパーがサポートしながら、総勢のべ200人以上の大きなキャンプとなりました。広島のキャンプは参加者が卒業し、OB・OGになってキャンプ運営を引き継いで、「糖尿病といかにうまく付き合っていくかを学ぶ」ことを目的とし、これを達成することを大切にしています。キャンプの自慢は、最終日前夜のキャンプファイアで中学3年生の参加者がこれまでのキャンプで感じた思いやこれからのことを話して、参加しているみんなと感動を共有できることです。

県立広島病院小児科
神野和彦

東京都
東京わかまつ会 小児糖尿病サマーキャンプ

東京わかまつ会サマーキャンプは、前身であるわかまつ会サマーキャンプから数えて、2017年で36回を迎えます。毎年3泊4日で開催しており、東京・御茶ノ水の東京医科歯科大学からバスで出発し、千葉県内房の岩井海岸にある民宿やまげんに宿泊します。海水浴や体育館レクリエーション、バーベキューやカレー作り、野菜摘み取り、かき氷、キャンプファイア、花火など、夏のイベント盛りだくさんです。夜は看護学生、栄養学生、医師によるキャンパー参加型勉強会を行っています。
当キャンプには東京だけではなく、埼玉、神奈川、千葉、茨城、静岡、宮城など各地からキャンパーが参加します。毎年晴天に恵まれ、大人も子どもも岩井の海を全力で満喫しています。
初参加の方も安心して安全にキャンプを楽しめるように配慮するとともに、今度はどんなキャンプにするか皆で話し合い、キャンパーがキャンプを通じて何を得て、何を持って帰ってくれるかということを大事にしています。

東京医科歯科大学
発生発達病態学分野/小児科
高澤 啓

島根県
小児糖尿病大山サマーキャンプ

真夏の7泊8日、汗だくで遊び、学び、仲間ができる大山サマーキャンプ。「家族」同様の関わりを持ち、期間が長く濃密なキャンプです。1974年に武田倬先生が立ち上げられ、2017年に第44回を迎えます。中国地区の5歳から中学3年生までの患児約25人が参加します。医師は主に内科医と小児科医で、日替わりで約50人、他の医療スタッフ、製薬企業各社のMR、約50人の学生ヘルパーも含めて総勢約120人で共同生活を送ります。「糖尿病があっても何でもできるこころと体」を育むため、食事は全員一緒に楽しく食べ、嫌いな食べ物にも挑戦します。食事は全て手作りで、16年は管理栄養士も新メニュー「サフランライス」に挑戦しました。みんな黄色いご飯を見てザワザワしていました。メインイベントは標高1709mの大山登山。これを境に、初日はよそ行きだった子どもたちも急接近します。海水浴や運動会などのイベントを通して自信をつけ、学校でも元気に活躍し、成長した子どもたちと、翌年のキャンプで会うのが楽しみです。

松江赤十字病院栄養課
大山家族事務局/管理栄養士
安原みずほ

東京都
東京なかよし会サマーキャンプ

東京なかよし会は1982年に、「みんなが仲良く、いろいろなことを助け合える会」という謂(いわ)れで命名され、発足しました。本会のキャンプは82年以降、毎年開催され、2017年で第36回を迎えます。現在は千葉県九十九里浜近くの宿泊施設で、3泊4日の日程で開催し、毎年20人前後の小学生から高校生がキャンパーとして参加しています。
キャンプ中は、みんなで勉強会や海水浴、花火、バーベキューなどを行っています。キャンプ地は、海まで歩いてすぐの場所にあり、海水浴の日は1日かけて海でのレクリエーションやスイカ割りなども行っています。最終日にはお別れ会を開き、キャンパーやスタッフがいろいろな演じ物をし、またキャンプ中の映像をスライドショーで上映してキャンプでできた仲間との絆を大切にできる時間にしています。
キャンパーが大人になってからもお互いに交流があり、会の名前のようにみんなの仲が良いことが本会のキャンプの自慢です。

日本大学病院
総合診療センター小児科
鈴木 潤一

山口県
山口会宿泊交流会

山口会は、1990年に大山家族山口県支部会として開催したクリスマス会をきっかけに、参加したキャンプの違いもキャンプ参加経験の有無も問わない日帰り交流会を年1~2回行うようになりました。そして、2006年に宿泊交流会を開始し、現在に至ります。自立・自己管理のためには、他県のロングキャンプにも参加してほしいので、あえて10月の3連休に開催しています。また、兄弟や友人にも患者さんの治療や自立への理解を深めていただきたいと考え、ファミリーキャンプの形をとっています。会を始めた当初から、食べ物への興味や食べることの大切さを理解していただくために必ず調理実習もします。運動を兼ねて釣りやオリエンテーリングをするだけではなく、イベントとして餅つき、キャンドルサービスも行います。もちろん病気や食事に対する知識の確認も年代ごとに行い、家族にも行っています。これからも会を通じて、医療者、家族、その他スタッフで協力しあい、より日常生活に生かせる交流会を続けていきたいと考えています。

さんふらわあクリニック
和田崇子

徳島県
徳島小児糖尿病サマーキャンプ

37年前、患者さんの声で始まったキャンプは5泊6日で、キャンパーは20人以上、ヘルパーが2日前から勉強と準備のために徹夜し、食事は全食手作りでした。現在は3泊4日、キャンパーは減少傾向ですが、趣旨をご理解いただいている施設で開催しています。毎年延べ60人ほどの医学・看護・栄養学科の学生のヘルパーへ向けて、応用カーボカウント、CSII※1やSAP※2などの勉強会を開き、時間をかけて準備しています。キャンプの目標は「生活や治療における自立と自律」であり、保護者は参加しません。2016年から、徳島大学病院小児科と徳島大学糖尿病臨床・研究開発センター(内科)とで共同運営し、一層安全かつ教育的かつ楽しいキャンプへと進化しました。開催期間中に内科へのトランジション(移行)を行ったり、幼児1型糖尿病の保護者だけの食事会をしたり、参加できない方のために講演会を開いたりと発展的なキャンプになりました。これからも、37年前と変わらず、患者さんのために良いと思ったことを続けていきます。

徳島大学病院小児科
小谷 裕美子

東京都
つぼみの会サマーキャンプ

1963年に丸山博先生が8人の児童を千葉県勝山海岸に連れて行き、療養指導を行ったのが、わが国でのサマーキャンプの始まりでした。この時の保護者が世話役となって当会が発足し、2016年で53年目を迎えました。
81年には、キャンプ場の理想郷への思いを温めていた丸山先生が私財を投じ、福島県伊達郡霊山町(現在の伊達市)に国内で唯一の診療棟を併設したキャンプ場、霊山トレーニングセンターを開設しました。当会はこのキャンプ場を専用の施設として30年間利用してきましたが、東京電力福島第一原発事故の影響で利用を見合わせ、現在は御殿場市にある施設で、3泊4日のキャンプを2回に分けて実施しています。当初から栄養士、栄養学生による食材の調達、献立の作成、自炊を続け、調理実習などを通した子どもたちの食育にも力を入れています。キャンプの一番の目的は、子どもたちが交流することだと考えています。わたしたちは、毎年みんなが心待ちにしているキャンプを、より楽しいものにするよう努めています。

つぼみの会代表
神嶋 威

福岡県
ブルースカイキャンプ

ブルースカイキャンプは、毎年8月に4泊5日で開催しています。1日だけの見学や短期間の参加にも可能な限り対応し、多くの児童が参加しやすい雰囲気づくりを行っています。また、医療スタッフとして内科・小児科の医師・看護師が参加し、安全なキャンプ運営を心掛けています。
わたしたちのキャンプでは、期間中に行うイベントの企画・進行を学生ボランティアたちが行っています。毎年新しい試みを取り入れることはもちろん、参加者の声を反映させ、キャンプがより楽しいものになるように頑張ってくれています。他にも彼らが主体となって春(3月ごろ)と秋(10月ごろ)にハイキング、冬(12月)にクリスマス会も開催しており、1型糖尿病児童にとって非常に仲の良いお兄ちゃん・お姉ちゃんのような存在になっています。ブルースカイキャンプは来年で30回を迎えますが、これまで続けられているのは学生ボランティアのおかげです。
そんなブルースカイキャンプに、一度参加してみませんか。

久留米大学医学部内分泌代謝内科
岩田 慎平

茨城県
茨城県糖尿病協会サマーキャンプ

茨城県のサマーキャンプは、今年で31年目30回の開催となりました(年数と回数が合っていないのは、準備はしていたものの、新型インフルエンザによって開催を中止した年があったからです)。初めは3泊4日、第3回からは2泊3日の日程で行われています。毎年、30人前後のキャンパーと、彼らを支える医師やコメディカル、医学生、OB・OG、各社MRの方々(一般ボランティア)で、総勢約100人が参加します。5年前から茨城県糖尿病協会の正式行事に組み込まれたことにより、ボランティア頼みだった医療者の人員確保状況も大きく改善されました。今後、県内各分会への連絡などを充実させられれば、より多くのキャンパーの参加が見込めるのではないかと期待しています。
当キャンプの最大の特徴は、お子さんを連れて参加してくださるOGの多さではないでしょうか。結婚、出産など、将来について漠然と不安を抱えているであろうキャンパーたちにとって、言葉で伝える以上に説得力のあるお手本になっていると思っています。

茨城県糖尿病協会理事
サマーキャンプOB
寺方 孝守

長崎県
長崎県小児糖尿病ことのうみの会サマーキャンプ

長崎県のサマーキャンプは、今年で41回目を迎えました。長崎の中心に位置する大村湾(別名琴海)の見える場所に集うことから、「ことのうみの会」という名前が付きました。本会は全国でも珍しく、患児家族が運営の主体で、患児だけではなく家族同士の結び付きが大変強い大家族の会であり、海や山のさまざまなシーンで、子どもに負けず、大の大人があっという間に少年・少女時代に戻ってしまう、タイムマシンのようなキャンプです。
本会のキャンプでは、毎食前に自分でインスリン量を見計らう“カーボの達人”という療育の場があります。いつもはインスリン量を親に決めてもらう患児も、ボランティアスタッフと相談しながら自分で決めます。キャンプの最後には、撮影した写真スライドを全員で鑑賞します。涙があふれて止まらなくなり、周りを見ると、みんなが泣いています。子どもたちの成長を確認できた瞬間こそが、キャンプを支えるたくさんの人々のこころの支えになっています。

長崎大学病院
内分泌・代謝内科
阿比留 教生

福島県
福島県小児糖尿病サマーキャンプ

福島県のサマーキャンプは今年で15回目になります。県内が広いこともあって現在は3地区で順番に開催しており、昨年は福島県立医科大学附属病院と、わたしたち大原綜合病院(福島市)が中心となって開催しました。今年は会津若松市の竹田綜合病院、来年は郡山市の太田西ノ内病院が中心となります。開催地と主催者が毎年変わるため、新鮮な気持ちでキャンプに臨んでいます。開催地によってキャンパーの顔ぶれが少し変化しますが、例年、二十数人の小中学生が参加しています。年々増加傾向で、今年はついに33人となり、うれしい悲鳴です。なお、2011年のあの夏も中断することなく磐梯熱海で開催し、キャンパーたちから元気をもらいました。
キャンプは毎年2泊3日の日程で、スタッフは体力的にもちょうどいい(限界)のですが、キャンパーからは「あと3日泊まりたい」と要望されています。インスリン自己注射が初めてできたキャンパーの感激をみんなで共有するようなキャンプを続けていきたいと考えています。

大原綜合病院小児科
鈴木 重雄

大分県
大分ヤングウイングサマーキャンプ

大分県のサマーキャンプ(ヤングウイングサマーキャンプ)は、1986年に福岡のヤングホークスを基に桶田俊光先生が設立され、2015年で節目の30回目を迎えました。5泊6日の日程で、毎年20~30人が原則キャンパーのみで参加します。何しろ“おんせん県おおいた”ですから、山登りや海水浴に加え、下山して即温泉というぜいたくなプログラムになっています。また裏行事として、朝の海釣り(朝5時起床…)もキャンパーには大変好評です。もう一つの自慢は食事です。キャンプ中の全ての食事を、別府大学食物栄養学科の学生さんたちがフル参加で作ってくれています(山登りのお弁当まで!)。キャンパーはもちろん、日ごろの食生活に問題のあるわれわれ医療スタッフも大満足な食事が提供されています。実は、今まで開催していた施設の閉鎖により、31回目の今年から開催地が変わります。これからもスタッフ一同新たな気持ちで、新しい大分のキャンプを盛り上げていきたいと思います。

大分ヤングウイングサマーキャンプ事務局
葛城 功

秋田県
秋田県1型DMオータムキャンプ

秋の連休に2泊3日の日程で行われる秋田のキャンプは今年で15回を迎えます。家族ぐるみの交流を重視し、幼児も家族同伴で参加できるのが特徴です。今年26回を数える「親子の集い」を兼ねて開催し、家族の不安軽減も図ります。小児科医、内科医、糖尿病療養指導士(栄養士、薬剤師、検査技師)の他に日本キャンプ協会会員が毎年企画から参加して、運動会・クリスマス・祭り・ハロウィーンなどのテーマをもってレクリエーションを検討します。栄養士を中心に食の学びも意識しつつ、患児や家族、OB・OGのみならず、スタッフも含め皆が一緒に楽しめるものになります。フル参加できなくとも1泊、日帰りの参加もOKで、他県在住の患児・家族、OB・OGも参加しています。お絵描き、もの作り、楽器を持ち寄った演奏会など盛りだくさんで、満足しない参加者は一人もいません。本会は日本糖尿病協会の糖尿病友の会に登録されており、「さかえ」など医療・療養の最新情報も的確に提供しています。秋田に一度遊びに来てたんせ。

秋田県1型糖尿病の会
秋田赤十字病院
村田 雅彦

熊本県
肥後っこスマイルサマーキャンプ

熊本県のキャンプは今年で48回目を迎えます。愛称の「肥後っこスマイルサマーキャンプ」は、公募で多かった言葉を組み合わせて決定しました。おそろいのオリジナルTシャツを着て活動しますが、ここ数年は人気の高いくまモンがプリントされています。第47回は10年ぶりに海での開催となりました。熊本市からは3時間以上かかる場所でしたが、天候にも恵まれ、定置網漁、魚釣り、海水浴、すいか割りなどの行事を滞りなく行えて大満足の4日間でした。また、管理栄養士および学生ボランティアの皆さんのおかげで全ての食事を施設内で調理することができて、スケジュール面、予算面で大いに助かり、食育にも良い影響があったと思っています。インスリンポンプの説明会も非常に好評でした。今年は震災に見舞われ、開催時期の変更や期間の短縮を余儀なくされました。しかしながら、地震によるキャンセルで空きが出たため、幸運にも使い慣れた施設で開催できるめどが立ち、実行委員が一丸となって準備を進めています。

熊本赤十字病院内科
福島 英生

山形県
山形小児糖尿病サマーキャンプ

山形小児糖尿病サマーキャンプは、患者会「蔵王かえでの会」を中心に、2001年に始まって今年で16回目になります。7月開催で、キャンパーは平均14人です。毎年キャンプのテーマを設定しており、これまでのテーマは「運動の有効性」「カーボカウンティング」「災害時の対応」「1型糖尿病の体験談」などです。外部講師による勉強会、テーマに沿った活動の後、キャンパー同士で話し合って意見をまとめています。また、ボランティア活動や、TOOTHFAIRYプロジェクトのご協力の下に歯科医師による講義と歯科検診も行っています。さらに、将来のトランジションを考え、内科医にも参加していただいています。学校や地域との関わりにおいて重要な養護教諭や保健師の参加がほとんどないため、キャンプへの参加をお願いしているところです。他にも、和菓子職人による和菓子作り教室などのレクリエーションも行っています。わたしたちは勉強になり、楽しいキャンプを開催しています。

山形市立病院済生館小児科
大通 尚

宮崎県
ヤングフェニックスサマーキャンプ

宮崎県の小児糖尿病教育キャンプであるヤングフェニックスサマーキャンプは、今年で38回目の開催となります。毎年8月に4泊5日の日程で開催しており、15人ほどのキャンパーが参加しています。
最近の十数年は綾町という自然豊かな場所にある合宿センターを利用しており、カヌー教室や川遊びなど、自然を満喫して遊んでいます。また、栄養教室や糖尿病教室、ディスカッションなど学ぶこともたくさんあります。OBやOG、学生ボランティアの方々が多く参加されていて、キャンプを盛り上げてくれます。4泊5日の日程ですが、毎年気が付くともう最終日というほど、あっという間です。最終日には講師をお迎えし、講演を行っています。キャンパーはもちろん、スタッフも毎年キャンプを楽しみにしています。
キャンプは保護者や医療スタッフ、学生ボランティアやコンパニオンなど、とても多くの方々に支えられて行われています。これからも人と人とのつながりを大切にし、キャンプを続けていきたいと思います。

ヤングフェニックス事務局
緒方 謙策

岩手県
岩手つくしんぼサマーキャンプ

岩手つくしんぼサマーキャンプは、前身のもりおかこども病院糖尿病サマーキャンプを引き継いで行われて、今年で32回目を数えます。もりおかこども病院をはじめ、岩手医科大学病院や近隣の病院などから医療スタッフに参加していただいています。また、岩手県内だけではなく県外からのキャンパーやボランティアも参加しています。
当キャンプの特徴は、ご家族での参加も、キャンパーだけの参加も受け入れているというところで、幼児から高校生まで幅広く参加しています。「安心・安全」を基本に「とにかく楽しむ!」ことをモットーにしており、ご家族同士の交流やキャンパー同士の触れ合いを最も大切にしています。
2015年は「小岩井農場散策・木工作り・インスリンポンプ講習会・野外炊飯・BBQ・花火大会」などを行いました。笑顔あふれる2泊3日になるよう、スタッフ一同努力しています。皆さまのご参加をお待ちしていまーす!

もりおかこども病院
菅野 秀幸

鹿児島県
鹿児島小児糖尿病サマーキャンプ

鹿児島小児糖尿病サマーキャンプは1971年に河野泰子先生と立川俱子先生を中心に開催されて以来、長い歴史があります。(1)楽しい体験、(2)仲間づくり、(3)糖尿病の知識・技術の獲得、(4)自立、(5)家族、医療者の教育を目的に、幼稚園から中学3年生まで18人の1型糖尿病患者(キャンパー)、家族、ヤングの会、医師、看護師、保育士、栄養士、糖尿病関連企業の社員が集まり、2泊3日で共同生活を行います。
キャンプ当日の運営は、ヤングの会を中心に行っています。多くの家族が参加して、病気に関する知識だけでなく、ライフステージの節目(思春期、受験、就職、結婚、出産)に起こるさまざまな問題に対してもグループディスカッションを行っていることが、このキャンプの特徴です。
患者会の中心的役割を担う家族とヤングの会のメンバー不足、運営資金不足がキャンプの課題です。この場をお借りして、キャンプをさまざまな面で支えてくださっている皆さまに感謝を申しあげます。

鹿児島つぼみの会
橋口 裕

青森県
青森県小児糖尿病サマーキャンプ

2015年の第15回青森県小児糖尿病サマーキャンプは、7月24~26日に2泊3日の日程で、三沢市小川原湖畔の宿泊施設にて行われました。小学生から高校生まで16人のキャンパーが参加し、糖尿病教室の他、花火大会や野外炊飯、湖水浴、三沢航空科学館の見学などのレクリエーションも行いました。キャンパーは幾つかの班に分かれ、同じ部屋に寝泊まりし、イベントを通して交流の機会を楽しんでいました。
第16回目の開催となる今年は、岩木山の麓の宿泊施設で7月29~31日に行う予定です。今年もOB・OGの方々をはじめ、医師・薬剤師・看護師、学生、社会人などからなる県内のボランティアスタッフが集結して準備をしています。キャンパーが食べることの大切さや療養に必要な手技などを理解し、自己管理の方法を学んで、このキャンプでの経験を少しでも日常生活に生かしてもらえればと思います。

青森県立中央病院小児科
池田 保彦

沖縄県
沖縄県小児糖尿病サマーキャンプ「ハッピーサマークラブ」

沖縄の小児糖尿病サマーキャンプは2016年8月で39回目を迎えます。対象は18歳以下の糖尿病のある患児で、例年15人ほどが参加します。毎年海水浴を行い、灼熱(しゃくねつ)の太陽の下で走り回ります。台風に見舞われることもあるのは、良くもわるくも沖縄らしさです。最近のキャンプで一番印象に残ったのは、インスリンポンプを装着した患児がポンプを着けたまま海に入ったことです。
本当に慌てました。県内各地に点在し、直接出会うことがまれな患児たちにとって、キャンプを通して知り合い、お互いの経験を共有することが支えになればと願っています。また、糖尿病は食べすぎや運動不足といった負のイメージが強く、心無い言葉や間違った指導を受けることも多々あります。キャンプが多くの方にとって、小児糖尿病を知る機会になることを目指しています。より多くの方に小児糖尿病を知っていただき、協力の輪が広がることを願います。

琉球大学大学院医学研究科
内分泌代謝・血液・膠原病内科学講座
(第二内科)
難波 豊隆
竹本 のぞみ
益崎 裕章

北海道
北海道つぼみの会サマーキャンプ

42回目を数える北海道つぼみの会サマーキャンプは、例年8月に3泊4日の日程で開催しています。年に1度のキャンプに、遠くは片道450kmの道のりを経て、北海道全域から参加者が集まります。8月の北海道は、昼は30℃を超えても朝夕は涼しくさわやかな日が続きます。その中で、小学生からヤングまでのキャンパーが、それぞれの課題を持って小児糖尿病について学習し、日常生活に戻っていきます。自己注射をできなかった子が同室の子から刺激を受けて頑張るという感動のシーンが、毎年のように見られます。また、家族にとっても、わが子の成長する姿に触れたり、家族同士で悩みを話し合ったりできる大切な場となっています。本会のキャンプは、指導医をはじめとする多くの医療スタッフ、ボランティアの皆さまの厚いご支援をいただいています。距離的に集まることが難しく、企画段階には多くの苦労もありますが、子どもたちの成長と元気な姿に会えることを楽しみに、夏の日を心待ちにしています。

北海道つぼみの会会長
太田 和幸

愛媛県
愛媛ブルーランドサマーキャンプ

当キャンプの前身は、1980年に産声を上げた愛媛と高知の子どもたちを対象とする西四国小児糖尿病サマーキャンプでした。立ち上げにご尽力いただいたのは、いつも笑顔の絶えなかった故貴田嘉一先生です。平成の時代になってから愛媛と高知それぞれに分かれてキャンプを運営するようになり、愛媛のキャンプの名称は公募によって「愛媛ブルーランドサマーキャンプ」に決まりました。モットーは(1)安全であること、(2)教育的であること、(3)楽しいこと、(4)チャレンジすること、(5)地域にオープンであること、です。2015年は新たな試みとして「災害訓練」と「そうめん流し」を実施しました。また、第35回開催を機にマスコットキャラクターの「キャンペイ」が誕生しました。みかんをモチーフとし、浮き輪となったブルーサークルを身につけ、インスリンの結晶を持ってキャンプに参加するかわいい仲間です。

愛媛県立今治病院管理栄養士
山本 真吾

宮城県
宮城県小児糖尿病サマーキャンプ

宮城県のサマーキャンプは2泊3日で開催しており、毎年25人前後の小中学生が参加しています。OB・OG、医療従事者や学生ボランティアなどのスタッフを合わせると総勢100人ほどの大所帯です。以前は、幼児の患者や家族も一緒のファミリーキャンプでしたが、2009年からはキャンパーのみが参加するキッズキャンプとなりました。その目的は「自立・自律」であり、家族に頼らず自分で頑張る姿勢を養い、仲間をつくることです。スタッフはキャンパーの安全に注意を払うとともに、できるだけ良い時間を過ごせるよう努めています。

わたしたちの自慢の一つは、キッズキャンプとなってからの7年間で、当キャンプ参加者からサマーキャンプスケッチコンクール入賞者が6人も出ていることです。これは、楽しいキャンプの証であると思っています。「雨男」がいることが玉にキズで、毎年必ず1日は雨に見舞われますが、それもまた良しです。

東北大学大学院医学系研究科
小児環境医学分野
藤原 幾磨

新潟県
新潟小児糖尿病キャンプ

 皆さま、こんにちは。これから新潟小児糖尿病キャンプの紹介をさせていただきます。わたしたちのキャンプは2016年で35回目。例年25~30人のキャンパーが参加し、ポストキャンパーも10人ほどが手伝ってくれます。日程は3泊4日、近年は「五頭連峰少年自然の家(阿賀野市)」で開催しています。ここでは野外炊飯やキャンプファイアに加えて「沢登り(渓流を遡行〈そこう〉する登山)」を体験できます。暑い季節にはピッタリのスポーツですが、長時間水に濡れての野外活動であり、血糖測定や補食に制限を伴うため、工夫が必要となります。運動の際の対応だけではなく、災害時など限られた条件下での身の守り方を体得することができます。
 わたしたちは、キャンプは参加者全ての学びの場であるとして、「まず試し、一緒に考える」姿勢を大切にしています。また、キャンプは「生涯の友をつくる出会いの場」でもあります。将来、子どもたちが自身の人生を自分らしく生きる、その一助となれるキャンプを目指しています。

ペガサスの会/新潟大学医歯学総合病院小児科
小川洋平(おがわようへい)

佐賀県
シャイニングスマイル佐賀サマーキャンプ

 わたしたちのキャンプは2011年にスタートし、咋年で5回目となった全国でも最も若いキャンプです。毎年、唐津市の波戸岬少年自然の家で開催し、10人前後の子どもたちが参加しています。
 キャンプでは、初参加の子どもでもみんなと仲良くなれる楽しいイベントを行っています。咋年一番評判が良かったのは、宿泊施設の近くにある廃校のプールで思いっきり遊ぶイベントでした。35度を超える炎天下の中、子どもたちの笑顔がプールいっぱいに咲き乱れていました。
 糖尿病教育としては、運動時の補食や、さまざまな場面での低血糖時の対処法などを具体的な劇にした「糖尿病劇場」を行っています。学生ボランティアのコミカルな演技を見ながら、楽しく学ぶことができると毎回評判です。
 キャンプに参加することで「一人じゃないんだ」と実感し、糖尿病療養を前向きに行うことができる人間を育てることを目標として、今後もキャンプを継続していきます。

佐賀大学医学部附属病院 肝臓・糖尿病・内分泌内科
小島 基靖
 

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