日本糖尿病協会

患者さんへ

2020小児糖尿病キャンプ スケッチ&作文コンクール 入選作品

Last Update:2020年11月18日

みんなの想いで創る 笑顔のキャンプ~2020年の想いを未来のキャンプに伝えよう!

2020小児糖尿病キャンプ スケッチ&作文コンクール

今年は、新型コロナウイルス感染症の影響で「小児糖尿病サマーキャンプ」史上初めて、すべてのキャンプが中止となりました。しかし、これまでスケッチコンクールに込めてきた「絵を描くことを通じて、好奇心、観察力、思考力、そして粘り強さを鍛え、今後の血糖コントロールに役立ててほしい」という願いはそのままに、来年のキャンプに思いを繋げることを目的に、特別企画として小児糖尿病患児や家族、医療スタッフを対象にしたスケッチと作文のコンクールを開催しました。

スケッチ部門は、応募作品総数21作品の中から厳選な審査の結果、グランプリ1作品、優秀賞9作品、佳作11作品が入選しました。作文部門は、応募作品総数7作品の中から厳選な審査の結果、グランプリ1作品、優秀賞3作品、佳作3作品が入選しました。

入選作品

スケッチ部門

グランプリ

「1日中楽しめるアスレチックキャンプ」「1日中楽しめるアスレチックキャンプ」

神奈川県 7歳

 

 

優秀賞

受賞作品 9作品

「やってみたいな花火大会」 「やってみたいな花火大会」

神奈川県 7歳

 

 

 

「何が起こるかわからない!ワクワクドキドキ 虫とりキャンプ」 「何が起こるかわからない!ワクワクドキドキ 虫とりキャンプ」

新潟県 7歳

 

 

 

「みんなで登山、夕日を見よう」 「みんなで登山、夕日を見よう」

新潟県 10歳

 

 

 

「サマーキャンプにいきたい」 「サマーキャンプにいきたい」

兵庫県 6歳

 

 

 

「お友だちと動物と仲良くなれるキャンプ!」 「お友だちと動物と仲良くなれるキャンプ!」

群馬県 9歳

 

 

 

「気きゅうにのりたいな」 「気きゅうにのりたいな」

京都府 8歳

 

 

 

「みんなでなわとびたのしいな そうめんながしもたのしいよ」 「みんなでなわとびたのしいな そうめんながしもたのしいよ」

佐賀県 6歳

 

 

 

「雨降りにカニとり」 「雨降りにカニとり」

大阪府 9歳

 

 

 

「みんなでおなかいっぱい食べたいなぁ」 「みんなでおなかいっぱい食べたいなぁ」

群馬県 8歳

佳作

受賞作品 11作品

「カブトムシとクワガタムシのたたかい」 「カブトムシとクワガタムシのたたかい」

鹿児島県 8歳

 

 

 

「にゃんこキャンプファイヤー」 「にゃんこキャンプファイヤー」

群馬県 8歳

 

 

 

「楽しいバーベキュー」 「楽しいバーベキュー」

茨城県 9歳

 

 

 

「岩田投手といっしょにサマーキャンプ」 「岩田投手といっしょにサマーキャンプ」

奈良県 9歳

 

 

 

「たからさがし」 「たからさがし」

山梨県 8歳

 

 

 

「憧れのサマーキャンプ」 「憧れのサマーキャンプ」

大阪府 7歳

 

 

 

「楽しい花火」 「楽しい花火」

大阪府 10歳

 

 

 

「打ち上げ花火」 「打ち上げ花火」

大阪府 7歳

 

 

 

「夜更かし」 「夜更かし」

兵庫県 7歳

 

 

 

「ポー の 一 族」 「ポー の 一 族」

兵庫県 7歳

 

 

 

「サマーキャンプ」 「サマーキャンプ」

和歌山県 7歳

作文部門

グランプリ

「不治の病の特効薬」 青森県 19歳

私は、十五歳で一型糖尿病を発症した。発症当初は、様々な負の感情が絶え間なく生まれ、精神的に辛い日々を送っていた。そんな時、このキャンプの存在を知った。

私は、高校1、2年生の時にキャンプに参加した。きっかけは当時の主治医の推薦だった。高校1年生だった私は、「楽しそうだな」という軽い気持ちで参加することを決めた。同じ病気を持つ人となら、私の病気に対する感情に共感してくれるだろうと考えた。

私は当時、恥ずかしがり屋だったため、他の参加者と仲良くなることができるか心配していた。しかし、最初のレクリエーションですぐに打ち解けることができた。そしてその雰囲気は同じ班の人だけでなく、全体に広がり、初日でみんなと仲良くなることができた。

参加者のほとんどは私よりも早く発症した人が多かった。また、私と同じく闘病歴1年目の人もいた。その人からは私と同じ境遇であるが、異なる意見を聞くことができ、同じ感情を共有することができた。私よりも早く発症した人は、もちろん闘病生活に慣れていたため、その人の「闘病生活の仕方」的なものを見聞きした。その時に気づいたことがある。それは、その人々は「明るい」ということだ。その気づきは私に違和感と好転の兆しを与えた。そして、それらは私の新たな価値観や生きる希望に繋がった。

違和感の正体は私の負の感情だった。それは、「一型糖尿病の人はみんな生きることが辛いと思っている」というものである。この感情が根強くあったために違和感を生じたのである。しかし、その人々の姿を見て、「どうして私はこんなにもこの病気を悪く思っているのだろう」と考えた。そして、私は考え方が変わった。この病気を悪く思う必要はない。絶対に「生きることが辛い」はずがない。一型糖尿病を発症し、生きることさえも否定的に捉えていたことが愚行であると気づくことができた。そして、この病気を持っていても生きることを肯定することができるようになったのである。

キャンプを通じて、病気に対する心構えを変えることができた。また、同じ病気の方々やスタッフの方々といったたくさんの人々との繋がりを持つことができた。このキャンプに必要なことは私のような人が生きる希望を持つことができる環境づくりであると考える。同じ境遇の人と交流し、病気との接し方を学べるこのキャンプは一型糖尿病を持つ人にとっての心の特効薬だと思う。

優秀賞

「キャンプがあるから今頑張れる」 静岡県 20歳

私は小学6年生の時に糖尿病になりました。当時は1型か2型かも不明でした。そこからいろいろあり、中学2年生の時初めてキャンプに参加しました。

しかし、私は人見知りで、知らない人ばかりのキャンプは少し不安でした。緊張と不安からかご飯も食べれず、涙が出てくることもありました。そんな時に、当時幼稚園の年長さんのある女の子に出会いました。夜部屋で2~3人の子供だけで話をしていました。その中で1番小さかった彼女は自分の病気についてしっかり理解していました。「これで血糖をはかって、これを打つの」と私に説明までしてくれました。こんなに小さい子でもしっかり自分のこと分かっているんだと思い、このキャンプは良いな、すごいなとおもいました。それから7年たった昨年のキャンプで私はOGとなり、小学2年生の女の子の担当としてキャンプに参加しました。その子もキャンプ中ご飯になると、私のかばんを叩き、「早く出して!準備して!」と言うんです。きっと自分だけじゃないと思ったのでしょう。私はとても嬉しかったです。そして、準備してインスリンを打つとなると、隣から「1、2の3」と声が聞こえてきました。隣を見るとその女の子がインスリンを打つ掛け声でした。やっぱり注射を打つのに怖くない・痛くない人がいるわけありません。ましてやこんな小さい子が自分で自分に注射をするなんて、とてもすごいなと思いました。私も日々治療に嫌になる時もありますが、こうしてキャンプで小さな子たちが頑張って治療している姿を見ると、自分も頑張らなきゃ、自分だけじゃないんだと思わせてくれます。キャンプはこうして頑張ろうと思わせてくれ、リフレッシュできる最高の存在だと思いました。

そして、キャンプにOB・OGの方がたくさん参加してくれると良いなと思いました。私の行くキャンプにはOB・OGの方があまりいません。特にOGの方にはなかなかお会いできず、いろいろなお話が聞きたかったなとおもいました。私自身はそんなに話せることはないですがもし私のように話したいと思っている子がいたらお話しができる存在でいたいです。キャンプにはOB・OGの視点も必要なんじゃないかと思います。

またこれからもキャンプに参加できる時まで参加したいですが、参加した子供たちが「自分だけじゃない、楽しかった」と思ってもらえると良いなと思いました。私は今後こういったキャンプになることを期待してます。

「妄想キャンプ」 千葉県 45歳

参加したこともなく、失礼ながら存在も知らなかったキャンプ。今は我が家にとってあこがれであり、これから進んでいく道の先にある案内板のような存在である。

今年の9月、11歳の娘が1型糖尿病を発症した。「なぜ食べても太らないのだろう?」 「水ばかり飲んでいるけど。。。」「このごろいつも疲れているみたい」とおかしい様子に気付いていながら、糖尿病のとの字も浮かばなかった知らなかったことが悔やまれる。いきなり出口の見えないトンネルに入ってしまったような気持ちのまま、インスリン療法がはじまった。退院しても、周りの人からの「ごはんの前に注射するの?」「毎日?毎回?」「え?一生!」「治らない病気なの?」こんな会話に落ち込んだ。そして心配してくれている周りの人たちとの間に壁を作ってしまっている。でも、その人たちに悪気がないことは理解できる。1か月前の私と同じだからだ。もし、キャンプに参加できたら、同じ病気の仲間に出会って気持ちを分かち合わせたいし、少し年上の先輩の体験談も聞きたい。病院だけでは分からない1型糖尿病と生きるコツを知りたい。キャンプに期待することは尽きない。一方、キャンプの中で1型糖尿病を1人でも多くの人に知ってもらう活動をしたいと思う。キャンプの様子を配信したり、ゴミ拾いなどのボランティアをするのはどうだろうか。「インスリンを打てば普通の人を同じ」という言葉は、自分が誰かの何か役に立てていることで確かなものになるのではないか。さらに、お祭り的なものに参加してブースを出す。3年前に豊洲で行われた日本とデンマークの国交150周年のイベントで我が家も参加していた。その時ノボノルディスクのブースがあり、アンケートに参加したことがあった。この時のイメージであるが、1型の本人たちから1型について伝えることの意味は大きいと思う。正しく知ってもらいたい。この知ってもらうことは、1型やその家族が生きやすくなるだけではない。健康な人でも自分の食生活を見直したり、万一身近な人にその兆候があった時に、少しでも早く気付くことができるのではないか。「もって早くに気付いていたら」「そんな病気知らなかった」と何度も思った私のような思いをする人を減らしたい。来年のキャンプの開催に期待して、トンネルの中を光さす方へ向かって一歩一歩進んで行こうと思う。

「たくさん学べるサマーキャンプ」 大阪府 11歳

私の中でサマーキャンプは、色々なことが学べる楽しいものです。知らなかったことや、参考になることがたくさんあります。同じ1型糖尿病の友達とは、気が合いとても楽しい所です。そんなサマーキャンプは、かけがえのない存在です。だから私は、サマーキャンプが大好きです。とくに、にぎやかなところが私の気持ちを、ぱっと明るくしてくれています。私は、これからもたくさん学んで楽しんで過ごそうと思えるサマーキャンプに参加し、他の人にも元気をあげられたらいいなと思っています。私は、そんなサマーキャンプは、いつもあっという間に時間が過ぎていきます。それは、いつも楽しい場をつくってくれているサマーキャンプのみなさんのおかげだと私はいつも思っています。次のサマーキャンプが待ちきれなくなります。そんなふうに思えるサマーキャンプは、すごいなと思います。

私が1型糖尿病で、一番大事だと分かったことは、血糖値のコントロールだと思います。

そう思う理由は、サマーキャンプのご飯の時間のおかげです。いつもご飯の時間に自分で単位を決めているので、そのおかげで血糖値のコントロールが学べました。他にもたくさんのことが学べます。例えば、低血糖の時の対処方法やインスリンの打ち方やうつ場所など、さまざまなことが分かります。

私が今後行くサマーキャンプでは、もっとたくさんの人に笑顔や勇気をとどけたいと思っています。そのために私が必要だと思うことは、まずみんなの協力が必要だと思います。みんなで楽しい場をつくるサマーキャンプにすれば、たくさんの人が笑顔になれると思いました。たくさんの人に勇気をあげるためには、この1型糖尿病について、私がたくさん勉強したことを教えてあげることだと思います。

初めてこの病気になった時、きっとみんな不安だと思います。だからこの病気をくわしく知っていって、不安がなくなったらたくさんの人が勇気をもらえると思いました。私は、このようなサマーキャンプにこれからも参加し、期待しています。

佳作

「私のサマーキャンプへの想い」 熊本県 9歳

私は、1型糖尿病になって4年目になります。今年も1型糖尿病のサマーキャンプを楽しみにしていました。でも、新型コロナで中止になりました。ショックでした。去年のサマーキャンプでお友達になったさこちゃんと

「また来年会おうね、私の事覚えていてね。」

と、言ってバイバイしたのに、会えないと思うと悲しくなりました。

私のお姉ちゃんは、中学生になったら、サマーキャンプに行かないと言っていたのに、やっぱりサマーキャンプに行くと言いました。

私が、

「コロナだからないよ。」

と言うとお姉ちゃんが、

「まじでー。」

と言いました。お姉ちゃんもショックなのかなと思いました。

夏休みに、アンサングシンデレラというドラマを見ました。1型糖尿病の話がありました。ドラマでは、インスリンを打てば、普通の生活と変わらない。と言っていました。でも私は、そうは思いませんでした。注射を打っていることが、みんなと違うからです。でも、サマーキャンプに行くと、みんなと一緒です。みんなポンプでボーラスを入れたりしています。

来年は、サマーキャンプに行って、1型糖尿病のお友達と会って色んな話をして、あそんで、ご飯を食べて、楽しくしたいです。だから、早くコロナが終わってほしいです。

「はじめてのサマーキャンプ 」 山梨県 39歳

「サマーキャンプとっても楽しかったよ。」

昨年の8月、娘は目をキラキラ輝かせて帰ってきました。キャンプで色々な体験ができ、娘の中で何かが大きく変わりました。

2019年7月、娘は1型糖尿病と診断されました。初めての入院、毎日のインスリン注射、発症したばかりで不安や寂しさで泣いていました。入院中に主治医の先生から「サマーキャンプ」の話を聞き誘っていただきました。これまで家を離れた事がなかったので当初は行かないと言っていましたが、先生から「とても楽しいよ、同じ1型糖尿病のお友達がたくさん来るよ。」と言っていただき「1泊2日だけ言ってみる。」と参加しました。

キャンプでは同じ1型糖尿病のお友達、学生スタッフさん方と普段の生活では味わえないとても楽しい時間を過ごして帰ってきました。「来年のキャンプは全日程参加したい。今から楽しみだなぁ。」と楽しみにしていました。新型コロナウィルス感染症の影響で残念ながら2020年は中止となってしまいました。今年は1型糖尿病になって2年目になり、体も心も大きくなり昨年と違ったキャンプになるだろうと私も期待していたので残念でした。サマーキャンプに参加し娘が大きく変わった事は、「1人じゃない。みんな頑張っている。」と心の支えになった事です。同年代のお友達と共同生活をして色々な事にチャレンジして1型糖尿病でも何でも頑張れるという事を学んできたように感じます。1年に1度の楽しいサマーキャンプで、同じ悩みやこれから先の夢などを語っていける場所にこれから先もなっていってほしいと思います。

来年はみんな笑顔で楽しいサマーキャンプが開催される事を親子で願っています。

「私の大切なキャンプ 」 北海道 10歳

私は北海道つぼみの会のキャンプに毎年参加しています。今年は残念ながらキャンプはありませんでしたが、もしあれば4回目の参加でした。

キャンプでは同じ病気の子が集まり、3泊4日同じ施設に泊まり、楽しいゲームやイベントをしたり、病気の勉強などもします。

新しく友達もできるし、ご飯もおいしいし、あっという間に時間が過ぎてしまいますが、とても満足します。やっぱり同じ病気の友達がいると、気持ちが分かり合えるので安心します。私にとってキャンプは、とても大切な時間で、そして安心できる場所です。

一緒に参加した親の方々も、病気の勉強をしたり、日々の想いを話し合えたりします。そんなキャンプですが、私は年に1回でいいと思っています。なぜかというと、年に何度もキャンプがあると頑張ろうという気持ちが少なくなってしまうような気がするからです。来年のキャンプを「楽しみ」に待つ気持ちが、毎日の大変な血糖値のコントロールを頑張ろうと思えるからです。

これから中学生になったりしてもこのキャンプには「プレヤング」として参加したいと強く思っています。プレヤングのお姉さん達は、みんな仲良しでとても楽しそうでした。プレヤングのお姉さん達がやっていた司会や企画なども挑戦してみたいです。

今後キャンプに期待する事は、もっとグループで楽しめる競技があるとたくさんの人と話せるので、そういう企画があるといいなと思います。

私は、キャンプで大切なものを得たと思います。自分の夢がはっきりしてきた事です。私は将来看護師になりたいです。

キャンプで一緒のお部屋になったお姉さん達は、将来看護師や保健室の先生を目指す学生の人達でした。みなさんすごく優しくて素敵な人達だなと思いました。私もお姉さん達のように、みんなの役にたって、苦しんでいる人達を助けて元気にしたいと思います。

これからも、このキャンプを続けてほしいと思っています。

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