日本糖尿病協会

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フィアスプ注におけるインスリンポンプ(CSII)での使用時の注意喚起

Last Update:2022年3月30日

ノボノルディスクファーマ株式会社が製造販売するフィアスプ®注 ペンフィル®(カートリッジ製剤)から注射液をインスリンポンプ(CSII)に充填し投与した患者さんで、インスリンポンプ中のインスリンにゲル化がみられ、重篤な高血糖に至った事例が日本国内において1例報告されました。

また、日本において2022 年 2 月 末までに、フィアスプ®注 100 単位/mL(バイアル製剤)使用中の方で、インスリンポンプ中のインスリンに凝固やゲル化がみられたという事例が 8例報告されています。いずれも、重篤な高血糖などの有害事象免れることはできました。最近も2例の報告がありました1)。

以前から、インスリンポンプにおけるインスリンの凝固ないしゲル化に関しての報告は散見されます2),3)。インスリンの凝固やゲル化によって、インスリンポンプ内に「つまり」(閉塞をおこす)が生じ必要量のインスリンが投与されない状態となり、重篤な高血糖関連事象をきたす可能性があります。現時点ではフィアスプ®注のゲル化の原因は特定されておりません。

フィアスプ®注を使用のインスリンポンプの患者さんは、ゲル化の原因と予防対策が明らかになるまでは、主治医と相談してできるだけ、他の代替インスリン製剤(ヒューマログ®注、ノボラピッド®注、アピドラ®注、ルムジェブ®注等)への変更を推奨いたします。

 

注意1:カートリッジ製剤から注射液を抜き取ってインスリンポンプに装填する事はしないよう、患者さんへのご指導も併せてお願いいたします。

注意2:フィアスプ注®バイアル、カートリッジ、リザーバともに、浮遊物がないかできるだけチェックください。

注意3:インスリンポンプ使用の場合は、一般的な注意ですが、他のインスリン注射手段(ペンなど)を携帯ください。

 

1) 合同開催:第20回日本先進糖尿病治療研究会/第18回1型糖尿病研究会2021年11月6~7日
2)Diabetes UK. Diabetic Medicine, 2008: 25, 1125–1131
3)HUTCHISON KG. J. Pharm. Pharmacol. 1985: 37, 528-531

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