米国食品医薬品局(FDA)の声明
2009年6月、海外医学雑誌に、インスリン製剤のひとつであるインスリン グラルギン【商品名:「ランタス®」(サノフィ・アベンティス社製造販売、以下ランタス)】について、がんとの関連についての一連の論文が発表されました。
しかし、この論文の内容には矛盾する点があることから、海外の主要な糖尿病学会および日本糖尿病学会に加え、日本糖尿病協会は、ランタスを含むインスリン治療をしている方に対し、自己判断でインスリン注射の変更や中止をしないように促してきました。
また、2009年11月には厚生労働省からも、「現時点において、ランタスを含むいずれのインスリン製剤においてもがんとの関連性は認められず、新たな安全性対策の必要はない」との見解が出されています。
今回、本年1月12日、米国食品医薬品局(FDA)から、従来までのランタスの安全性の見解を支持する声明が発表されましたので、お知らせいたします。
2011年1月12日 FDA声明:ランタス(インスリン グラルギン)とがんの関連性に関する安全性評価に関する最新情報 患者さんへの追加情報 抜粋
患者さんへの追加情報
- FDAは、ランタスががんのリスクを増加させるとは結論づけていません。
- ランタスを使用中の患者さんは、医療関係者に指示されない限り、使用を止めないで下さい。
- FDAは、この安全性の問題を継続してレビューし、新たな知見が得られた際には公表します。
日本糖尿病協会では、糖尿病の治療でインスリン注射をしている方がいたずらに不安を持つことがないよう、厚生労働省や日本糖尿病学会と連携し、今後も正確な情報を提供していきます。
なお、FDAのDrug Safety Communicationの詳細は、一般の方にも公開されています。
和訳を添付いたしますので、必要に応じてご参照ください。
参考
FDA(米国食品医薬品局) サイト 声明文内容 :
FDA Drug Safety Communication:Update to ongoing safety review of Lantus(insulin glargine )and possible risk of cancer
和訳:
FDA Drug Safety Communication:ランタス®(インスリン グラルギン)とがん発生リスクに関する安全性レビューの最新情報