2023年 Vol12. No.6(第55号)
2023年12月28日発行
トピックス
糖尿病治療薬の安定供給に関する要望書を厚生労働省に提出
トピックス
糖尿病治療薬の安定供給に関する要望書を厚生労働省に提出
日本糖尿病協会は11月6日、日本糖尿病学会、日本くすりと糖尿病学会とともに、GLP-1受容体作動薬など糖尿病治療薬の安定した供給体制の構築を求める要望書を厚生労働省に提出した。問題解決に向けた同省の取り組みに謝意を表するとともに、状況の早期解消への一層の注力を要望。さらに、問題解決には患者の視点が重要であるとして、今後こうした問題について検討する際には、日本糖尿病協会の患者代表理事を加えて意見を聞くことを求めた。
特集1
インクレチン治療の新たな展望
特集1
インクレチン治療の新たな展望
インクレチンは血糖依存性のインスリン分泌促進作用や低血糖時のグルカゴン分泌促進作用を持ち、明確な高血糖の是正効果がありながら低血糖を来しにくいという特徴があります。その臨床応用としてのインクレチン関連薬は2009年のジペプチジルペプチダーゼ4(DPP-4)阻害薬であるシタグリプチンの発売を皮切りに、その後多くのDPP-4阻害薬やヒトグルカゴン様ペプチド-1(GLP-1)受容体作動薬の注射薬が登場して、現在では糖尿病診療の中心となっています。さらに、2023年4月に初めてのGIP/GLP-1受容体作動薬が発売され、インクレチンによる糖尿病治療に大きな変化が表れそうです。本特集では、インクレチンに関する知識の整理やGLP-1を中心にした臨床応用の特徴、GIPの臨床応用とそれがもたらす糖尿病診療の変化について、インクレチン治療のエキスパートの先生方に解説をお願いしました。
藤本 良士(新小倉病院糖尿病センター)
[Topic1]
DPP-4阻害薬とGLP-1受容体作動薬の特徴と注意点
窪田 紗希/矢部 大介(岐阜大学)
[Topic2]
GIPの臨床応用とそれがもたらす糖尿病診療の変化について
稲垣 暢也(医学研究所北野病院)
特集2「さかえ」連動企画
糖尿病性自律神経障害
特集2「さかえ」連動企画
糖尿病性自律神経障害
糖尿病性自律神経障害は、QOLを低下させる重大な合併症です。しかし患者さんは、糖尿病が原因で起こっていると気づかず一人で苦しんでいることがあるため、医療者が患者さんの些細な訴えから自律神経障害を拾い上げることが重要です。本特集では、糖尿病性自律神経障害のエキスパートである麻生好正先生に、自律神経障害の拾い上げ方や気づきのポイントをご紹介いただきます。
山下 滋雄(東京山手メディカルセンター 糖尿病内分泌科)
糖尿病性自律神経障害を拾い上げる
麻生 好正(獨協医科大学病院)
[コラム]
糖尿病性神経因性膀胱から急性腎不全を呈した症例
連載 糖尿病カードシステムを活用しよう
第2回 カード⑥-1「日常生活の情報収集と問題点」
道口 佐多子(那珂記念クリニック)
連載 糖尿病カードシステムを活用しよう
第2回 カード⑥-1「日常生活の情報収集と問題点」
糖尿病治療において患者教育が重要ですが、我が国は糖尿病専門医が少なく、地域や施設で治療支援のレベルにばらつきがあるのが実情です。こうした中、糖尿病医療の現場で活用されているのが、日本糖尿病協会の「糖尿病カードシステム」です。このツールは医療者が患者さんへの治療支援を行う際に活用する患者教育用資材で、患者さんの病状や生活環境に応じて、約100種の「指導カード」と、各テーマについて分かりやすく説明した「リーフレット」を組み合わせて使用します。本コラムでは糖尿病の治療支援にこのツールを活用しているCDEに、使い方の工夫やコツを紹介していただきます。講師は、那珂記念クリニック看護師の道口佐多子氏です。
連載「地域発!CDEの活動報告」 from 新潟
チーム医療のパワー ~チームの力、仲間の力~
濱崎 真沙子(大手薬局 今朝白店)
連載「地域発!CDEの活動報告」 from 新潟
チーム医療のパワー ~チームの力、仲間の力~
私たちの地域では、今から35年前に「新潟糖尿病教育担当者セミナー」を立ち上げ、これまで多くの医療スタッフを育成してきました。2000年には日本糖尿病療養指導士制度(CDEJ)がスタートし、2008年に新潟県地域糖尿病療養指導士(CDEL)の認定を開始しました。それから15年が経過して現在は500人を超えるCDEが誕生し、各施設で様々な活動をしています。
近年、新型コロナウイルス感染症の影響を受けて対面での患者支援の機会や仲間との勉強会が減った、部署を異動した、専門医がいないなどの壁にぶつかっている人もいるかもしれません。しかし、あなたは1人ではありません。チームの力を信じて患者支援を続けていきましょう。
連載 未来へ食をつなげよう!! SDGsレシピコンテスト
第4回 審査員特別賞
伊豆おいしいら! サステナブルレシピ
飯野 みな美(伊豆韮山温泉病院)
連載 未来へ食をつなげよう!! SDGsレシピコンテスト
第4回 審査員特別賞
伊豆おいしいら! サステナブルレシピ
病院や施設などで食事提供を行う中で、地産地消やフードロスの削減などSDGs注)のための工夫やアイデアを取り入れたレシピが注目されています。本連載では、2023年1月13日(金)~15日(日)に国立京都国際会館で開催された第26回日本病態栄養学会年次学術集会のレシピコンテストの受賞者5人に、SDGsの視点で考えたオリジナルレシピを紹介していただきます。第4回は、審査員特別賞を受賞した伊豆韮山温泉病院の飯野みな美さんのレシピです。
第5回 審査員特別賞
鯵と野菜を余すことなく味わう御膳
永澤 舞衣(三楽病院)
連載 未来へ食をつなげよう!! SDGsレシピコンテスト
第5回 審査員特別賞
鯵と野菜を余すことなく味わう御膳
病院や施設などで食事提供を行う中で、地産地消やフードロスの削減などSDGsのための工夫やアイデアを取り入れたレシピが注目されています。本連載では、2023年1月13日(金)~15日(日)に国立京都国際会館で開催された第26回日本病態栄養学会年次学術集会のレシピコンテストの受賞者5人に、SDGsの視点で考えたオリジナルレシピを紹介していただきます。第5回は、審査員特別賞を受賞した三楽病院の永澤舞衣さんのレシピです。
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