2023年 Vol12. No.2(第51号)
2023年4月28日発行
特集1
オンライン診療の現状と展望
特集1
オンライン診療の現状と展望
新型コロナウイルス感染症の流行により、オンライン診療が大きな注目を浴びるようになりました。厚生労働省による診療要件の緩和措置もあり、オンライン診療は徐々に社会に浸透し始めていますが、一方でまだまだ課題が多いのも現状で、今後どのように活用していくべきか悩んでいる施設も多いのではないでしょうか。
糖尿病診療におけるオンライン診療活用の観点からは、そもそも糖尿病診療はオンライン診療との親和性が高く、オンライン診療を上手に活用することで診療の幅を広げ、質を高められる可能性を秘めています。実際、血糖自己測定(SMBG)や持続血糖測定(CGM)データのクラウド管理により、より適切なタイミングで治療の最適化や支援が行えるようになっています。デジタルヘルスツールやPHR(Personal Health Record)アプリの活用などにより、今後さらに診療の質を高めることも可能ではないかと思われます。
本特集が、オンライン診療の現状と課題、そして今後の展望についての情報共有の場となり、糖尿病チームとして今後どのように取り組んで行くべきかを考える機会になれば幸いです。
中塔 辰明(岡山済生会総合病院 糖尿病センター)
[Topic1]
基幹病院での取り組みについて
中島 英太郎(中部労災病院)
[Topic2]
開業医の立場から
野村 和至(医療法人社団野村医院)
[Topic3]
オンライン診療のためのデジタルヘルスツールとPHRの活用
利根 淳仁(岡山済生会総合病院)
[column1]
チームだからできる! デジタルヘルスツールを診療やケアに活かすチームづくりとチームアプローチ
佐藤 真理子(岡山済生会外来センター病院)
[column2]
外来栄養食事指導におけるパラダイムシフトの到来
森山 大介(中部労災病院)
特集2 「さかえ」連動企画
チームで取り組む重症低血糖対策[中編]
特集2 「さかえ」連動企画
チームで取り組む重症低血糖対策[中編]
糖尿病の薬物治療では低血糖の予防が課題となりますが、特に重要なのが重症低血糖対策です。重症低血糖を防ぎつつ適切な血糖マネジメントを実現するためには、低血糖が患者さんに及ぼす心理面への影響を理解し、重症低血糖防止の取り組みを多職種のチーム医療で行うことが重要です。本特集では、前編(第50号 2023年2月発行)の「重症低血糖対策の基礎」に続き重症低血糖対策を取り上げ、しまばら病院糖尿病内科と近江八幡市立総合医療センター代謝内分泌内科の取り組みの実際を紹介していただきます。
小林 邦久(福岡大学筑紫病院 内分泌・糖尿病内科)
血糖への深い理解を低血糖予防につなげる
北岡 治子(しまばら病院)
重症低血糖防止のためのチーム医療の取り組み
片山 初美/卯木 智(近江八幡市立総合医療センター)
連載 未来へ食をつなげよう!! SDGsレシピコンテスト
第1回 最優秀賞
てまり寿司の宝箱ご膳~ぼっけぇおいしい岡山産食材de味わう~
坪井 里美(恩賜財団岡山済生会総合病院)
連載 未来へ食をつなげよう!! SDGsレシピコンテスト
第1回 最優秀賞
てまり寿司の宝箱ご膳~ぼっけぇおいしい岡山産食材de味わう~
病院や施設などで食事提供を行う中で、地産地消やフードロスの削減などSDGsのための工夫やアイデアを取り入れたレシピが注目されています。本連載では、2023年1月13日(金)~15日(日)に国立京都国際会館で開催された第26回日本病態栄養学会年次学術集会のレシピコンテストの受賞者5人にSustainable DevelopmentGoals(SDGs)の視点で考えた献立を紹介していただきます。
コンテストのテーマは、「未来へ食をつなげよう!!管理栄養士が考える持続可能なレシピ」。応募要項は、(1)1食分600kcal程度(PFCバランスを考慮)、(2)SDGsの食品ロス(SDGsの目標の「12.つくる責任つかう責任」)や地産地消(「7.エネルギーをみんなにそしてクリーンに」「9.産業と技術革新の基盤をつくろう」「13.気候変動に具体的な対策を」)などの内容に沿ったもの、(3)調理の工夫、残った場合の保存方法の工夫や献立のアレンジ方法、(4)このレシピの「持続可能」ポイントやメッセージ、(5)献立の写真、でした。第1回は、最優秀賞を受賞した恩賜財団岡山済生会総合病院の坪井里美さんのてまり寿司の宝箱ご膳です。
連載 「地域発!CDEの活動報告」 from 京都
CDE京都 認定者をサポートするスキルアップ委員の新たな挑戦
~つながり、満足度、更新率の向上を目指して~
黒瀨 聖司(関西医科大学)
連載 「地域発!CDEの活動報告」 from 京都
CDE京都 認定者をサポートするスキルアップ委員の新たな挑戦
~つながり、満足度、更新率の向上を目指して~
京都府糖尿病療養指導士(CDE京都)の認定委員会は2013年4月に設立され、今年で11年目を迎えました。京都府下における糖尿病の予防や、糖尿病を持つ人が健康な人と変わらない生活を送れるように支援することを目的に多くの職種(19職種)に門戸が開かれているの特徴です。現在、19職種857人のCDE京都が認定されており、その中から選出された「スキルアップ委員」がCDE京都の活躍をサポートしています。スキルアップ委員は認定者のサポート役であり、認定者の実践力を高め、職種内や職種間でつながりができるように取り組んでいます。
2016年度にはCDE京都の認定者が1000人を超えましたが、2018年度から1期生の資格更新が始まると、更新率の低さが課題になりました。退会理由を調査し、要望などを聞きながらサポート体制を強化し、資格取得のメリットを感じてもらえるように模索中です。本稿ではCDE京都のスキルアップ委員の活動や新たな試みについて紹介します。
インフォメーション
「国際糖尿病連合西太平洋地区会議2023/第15回アジア糖尿病学会年次学術集会」のご案内
日本糖尿病協会「第10回 日本糖尿病協会年次学術集会」のご案内
日本糖尿病協会「持続血糖測定器(CGM)の使い方について」のご案内
日本糖尿病協会「糖尿病の食事療法を支える冊子」のご案内
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