日本糖尿病協会

TDJ活動レポート

東京マラソン 「来年も参加したい!」3連続完走&4時間台を狙います。~1型患者~

Last Update:2008年2月1日

TDJ活動レポート 2008年02月

東京マラソン 「来年も参加したい!」3連続完走&4時間台を狙います。~1型患者~

なぜ?マラソンを走ろうと思った理由はいくつかあります。他の1型患者を応援しようと思ったのがその一つですが、自分が発症してなければ恐らく死ぬまでマラソンなんて走ることはなかっただろうと思います。だから理由の一つは1型糖尿病を発症したこと。もう一つは最近大規模な地震が起きていて帰宅難民などという言葉を良く聞くようになりました。私は普段は千葉県内での生活ですが、月に数回は東京に行きます。そのときに大災害にぶつかった場合、千葉の家に帰れるのか?ということをふと思ったわけです。50km近くありますので、それを歩けると言うことが大前提です。そこで42.195kmのマラソンを完走できる体力があれば、帰宅難民にならずに済むと単純に考えたわけです。更に発症後に始めた山登りのトレーニングの一環としての意味もありました。

マラソンの為のトレーニングは一切せずにどのくらい走れるのか?去年の東京マラソンはそんな挑戦でした。今年もトレーニングの時間がまったく取れないまま大会当日となってしまいました。

去年は応援してくれる人が一人でしたが、今年はTDJのメンバーと新潟のMさん、千葉のUさん、東京のSさんも駆けつけてくれると言うことで2年連続完走!という目標が出来ました。しかしながら、体調は最悪とまでは行かないにしても、先週からの風邪が治らず、いい状態ではなかったのです。大会当日まで1週間は毎日ユンケル飲んでました(笑)

TDJ(TEAMDIABETESJAPAN)を立ち上げた南先生ご自身は東京マラソンの抽選に落選してしまったのですが、TDJのスタッフが数名走ると言うことで応援に上京し、その応援団はTDJの大きな青い旗を持ってスタート地点、浅草、ゴールと移動することになりました。

そうして大会当日、新宿に到着してS君と合流しスタート位置に移動し、そしてスタート20分前くらいに列に並びました。トップからは1km位後方です。去年よりはちょっとだけ前になりました。42.195kmではなく、43km位を走ることになります。またタイムは号砲からゴールするまでのネットタイムとスタートラインを切ってからゴールまでのネットタイムがあり、記録として残るのはネットタイムなので、出来る限り速くスタートラインを切りたいなと考えてました。

9時10分号砲が鳴りました。東京都庁前がスタートライン。今年はすぐにゆっくりと動き出しスタートラインまで10分程で通過、手を振る石原都知事を左に見ながらスタートラインを通過、応援団はハイアットリージェンシーに集合すると聞いていたのでそれを過ぎたあたりで左を見ながら走ると、南先生たちと青い旗が見えました。応援団も気が付いて手を振ってくれました。新宿西口のガードをくぐり歌舞伎町の前を通過し靖国通りを飯田橋へ。このあたりは序盤であり順調に走りました。途中で松野明美、勝俣・カンニング竹山のグループに遭遇。抜かさせて頂きました(笑)

10時ちょっと前に飯田橋を通過、ここから皇居に向かって右折、このあたりは周辺を走る人との距離が離れて互いにぶつかることも少なくなります。そして最初の給水所となります。今回は積極的に給水所にあるアミノ酸飲料を飲みました。当日の効果は?でしたが、翌日からの筋肉痛には効果があるようです。

この最初の5kmはすねの筋肉が痛くなりましたが、5kmを過ぎると痛みは無くなりより順調に走れるようになってきました。毎日新聞社前を左折。気温も少し上昇したみたいでスタート時は3℃と聞いていましたが、汗ばむ位の気温になってきました。マラソンにはもうちょっと寒い方がいいのかなと思いながら走っていました。日比谷公園を過ぎて東京タワーの方に右折、品川で折り返すのでトップランナーとすれ違います。やっぱり2時間台で走る人はすごいです。ちょっと信じられません。距離にしてまだ10km程度、時間にして一時間が経過しました。

去年はスポーツ飲料を1リッター程持って走りましたが、今年は給水場を利用し、飲み物は一切持たず、インスリン注射器・血糖測定器・ウィダーインゼリー・グルコレスキューとサングラス・手袋と小銭のみ。出来るだけ少ない荷物で挑みました。

品川を折り返したのが10時30分頃ではないかと思います。応援団は2時間半~3時間で浅草にランナーが来ると予想して待っていると言っていました。そうすると11時くらいに到着しないと会えないじゃないか!と思いましたが20kmあたりまで来てペースダウン。このあたりでN先生、S君に抜かれました。左に東京タワーが見えます。去年も同じあたりで同じようにペースダウンしたので、私のスタミナはこのくらいまでなんだろうと思いました。そこからはほとんど惰性で走り、20km地点で所要時間が2時間でした。このペースで行けば4時間ちょっとの記録になりますが、残りを3時間で走っても5時間。気分的には楽でした。

1時間に一回は血糖値を測ってましたが、そのときはどうしても歩きになってしまいます。ほとんど低血糖状態であることは今までの経験上わかっていたのですが、それでも測った数値が低いとなぜか暗示にかかったように足が重くなります。数値は50~70の間でした。

20kmを過ぎて浅草まで。この区間がほんとに長く感じます。ほとんど歩き。走れなくなってきました。正面に赤いちょうちんがだんだん大きく見えてきます。見えてくると同時に青い旗も目に入りました。距離にして28km。このあたりはもう低血糖でふらふら状態。自分でもブドウ糖は持っていたのですが、なぜか手が伸びなかったのです。そこに南先生たちの手からバナナやおにぎりが両手にいっぱい!パワー復活!そこから銀座までは少し走れました。

銀座を左折し築地あたり35km4時間20分。あと7kmを40分で走れば4時間台だなあと思いつつもぜんぜん足が進まない。40kmまではそればかり考えてました。でも晴海をちょっとすぎたあたりの40km地点で4時間55分。残り2.195kmを5分はどう考えても無理。我慢していたトイレもここで済ませました。このまま行っても去年より30分は早いということで妥協してしまいました。ビッグサイトが見えて、やがてまた青い旗が見えました。最後の300mくらいを頑張って走りました。そしてゴール。去年は完走の感動で眼が曇りましたが、今年はもうちょっと頑張りたかったという悔いが残りました。ゴール5時間13分。そうしてフルマラソン2回目の挑戦は終わりました。

ちなみに東京マラソンの制限時間は7時間。42.195kmはたとえ走らなくても早歩きで7時間を切ることが出来るのです。世界のトップランナーの2時間ちょっとで走る姿を見て先入観で考えるから到底ムリ、私には出来ないとなってしまうんです。時速6kmの早歩きでフルマラソンの完走が可能なんですよ!あなたもきっと出来ます。

さて巷ではこの大会について賛否両論がありますが、走った本人としてはすばらしい大会だと思います。今まで見ることの出来なかった角度で東京の名所を見ることが出来る。人の温かさ・すばらしさを感じる。だれでもちょっと頑張れば出来る。そんな大会だと思います。来年以降も世界に誇れる大会になっていくことを期待したいと思います。

私自身は去年よりも30分の短縮となりました。皆さんの応援のおかげです。毎週のように山登りしていても、走るというトレーニングは一切しなかったにしては上出来だと思います。来年も抽選で当たれば3連続完走&4時間台を狙います。


1型患者

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