日本糖尿病協会

TDJ活動レポート

東京マラソン2014完走、練習は嘘をつかない! 2月23日(日)

Last Update:2014年2月1日

TDJ活動レポート 2014年02月

東京マラソン2014完走、練習は嘘をつかない! 2月23日(日)

 私のフルマラソンはTDJ(チーム・ダイアビーティス・ジャパン日本糖尿病協会)のワーキングメンバーに入れて頂いたことをきっかけに始まりました。5年前、静岡空港開港記念に始まったしまだ大井川(おおいがわ)マラソン(実家の近く)にだけ、年1回走っていました。東京マラソンは初めてです。実は2013年4月に足の甲を骨折し、もう走れなくなるかもしれないという(年齢の?)あせりを感じるようになりました。その年10月の大井川マラソンでは、骨折で約3ヵ月走れなかったせいもあり、何と前年より30分も遅かったのです。そこで11月からは週2回、今までより多い30分以上の練習を心掛けました。
 通常の事前準備は週1回ストレッチ教室(当院患者会)で体をほぐすこと、フットケア(浅草フスウントシュー)で足の胼(たこ)を手当、歯科でかみ合わせのチェックです。そのほか前回は本番前便秘になり、マラソン中に2回もトイレに行ったので、マグネフォース(天然マグネシウムの液)を20滴お茶に入れ、毎朝飲んで予防しました。マグネシウムには足がツルのを防ぐ効果もあります。また珍しく風邪を引き、鼻グジュだったので耳鼻咽喉科を受診。正月に増えた体重約1kgを減らすため、フォーミュラー食(1食170kcalの超低エネルギー食)を1回使用しました。たった1kgでも体重が重いと足に負担がかかると考えたからです。本番前には有明ビッグサイトに本人がゼッケンやタグを取りに行かなければなりませんでした。丁度ジョグポート有明でランニングクリニックが開催されることを知り、木曜の仕事帰りに参加しました。ここではストレッチの重要性と姿勢・腕の振り方を勉強しました。自分の以前の走りを写真で見ると、腕を振っているつもりでも手が前で交差されているのでダメだったと分かります。
 例年2月最後の日曜日は雨や粉雪交じり、とても寒いことが予想されました。そこで薄手のレインウエアとダウンを購入。キャップとTシャツはもちろんおそろいのTDJグッズ。スタッフからプレゼントされたウエア(薄いのに通気性良く、暖かくてビックリ)を下に重ねて、ランニング用手袋、白内障予防のサングラス(薄曇りでも必需品)、ネックウオーマーの代わりにマスク(途中で捨てることができる)。小さなポーチには小袋から出し、ビニール袋に入れた8個の飴(5kmに1個、ゴミを出さず、すぐに食べるため)、携帯、ホッカイロ、ポケットティッシュ、スイカ、1000円札、活動量測定のライフコーダ。これが最小限の持ち物です。私にとっては腕時計も重いのでつけません。
 当日は手荷物を預けるのにセキュリティがあり、混乱していました。自分の手荷物トラックの場所が分からず、うろうろして、指定のスタート地点にようやく締め切り5分前到着。よく見ると遅れた人は最後尾です。寒いですが余裕を持った早めの行動が大切です。
 スタートの号砲は聞こえませんでしたがゆっくり列が進み、先頭がスタートしてから13分後にスタート地点を踏みました。紙吹雪は桜の花のようなハート型で、拾いたい気持ちを抑えて走りました。防寒用の古いセーターが沿道にたくさん捨てられていたのにはがっかりしました。3万6000人もの人が走るのですから大量のゴミが出ます。私のダウンはポケットに収まる形で、身体が暖かくなったころ丸めてポーチにつけて走りました。
 センチュリーハイアットホテルの前ではTDJの皆さんが応援していましたが、左側なのに右側と勘違いして、残念ながらハイタッチできませんでした。その後はずっと左端を走り、沿道に知っている人はいないかと見ながら走っていたのです。ふと、人を見ているとあごが上がってしまうと気付き、見ないようにするのですが、つい見てしまいます。それでもなるべく骨盤を前方に傾け、胸腔を広げ、手の振りに注意し、姿勢良く走ることを心掛けました。品川折り返し地点ではTDJの皆さんの応援は一生懸命見ていたのですが何処か分からず、通り過ぎ、失礼なことをしてしまいました。
 25kmまでは順調でしたが、やはりその後ペースが落ち、急にお腹も痛くなって沿道のコンビニのトイレに駆け込みました(公式トイレは長い行列ができていました)。35kmに家族が応援に来ているとわかり、寒い中待たせてはいけない、そこまでは頑張ろうと思うのですが、給食のバナナ・パン・トマトを全部食べると胃が気持ち悪くなってきました。私はこの辺りまで、全ての給水所でスポーツドリンクまたは水を歩きながら飲みました。走りながら飲むのは、むせるのでできません。沿道の小さな子供達の応援のお礼にハイタッチしたいのですが、疲れていてその元気が出ません。心の中でごめんなさい、ありがとうと言いながら走りました。私には携帯を出して写真を撮ることも全くできないほどゆとりがなかったのです。
 「富士山、頑張れ!」という声が何度か聞こえました。TDJの会では、「大きな声で『TDJ!』と言うから手を振ってね!」と話しあっていました。今振り返ってみると、富士山の絵のTシャツだから私のことを応援してもらったのに、無視してしまったのです。すみませんでした。  難関の佃大橋からは歩くことが多くなってしまいました。特に下り坂がきつく、今までよりアスファルトも硬く、足に響きます。使い慣れたシューズにしましたが、底の柔らかい衝撃吸収重視のシューズを試しておけば良かったと後悔しました。しかし東京マラソンは応援の人が絶えず、すごいなあと思います。
 何とか最後の有明でのTDJの皆さんの応援に答え、走ってゴールできました。便利な世の中で携帯にアクセスするとコニカのアプリで5時間3分と分かりました。目標の5時間29分(自己最高記録)より早く、大幅に時間を短縮することができました。前回は3本足の爪をダメにしましたが今回は一つも血豆ができず、きれいなままでした。靴紐の閉め方も丁度良かったようです。
 ライフコーダ(活動記録)を昨年と比較しました。図をご覧ください。昨年の大井川マラソンでは10km過ぎからもうバテていました。20km過ぎから時々歩き、30km台はもう前を見る元気もありませんでした。6時間のペースランナー(目安時間の走者)に40kmぐらいで「頑張ってね~」と抜かれ、それから走りを取り戻し、なんとか5時間55分で完走できました。30分違うと一緒に走るランナーが全然違う(歩く人が多い)ことを感じました。普通に歩くとき、私は10分で1000歩ですが、走ると1時間(60分)で1万歩になっていることが分かります。なるほど遅いランナーは歩数も多く、足に負担も多くなるのだと納得(?)しました。
 大井川マラソンは日本でも足に優しい、高低差も少ない、記録の出せる初心者向きコースです。昨年は4日で応募締め切りされましたが、早く申し込めば誰でも参加できます。年齢層も大井川の方東京より高く、自分より高齢と思われるベテランの方に追い越されることも多いのです。その方々の無駄の無い走りを、どうやったらできるだろうかといつも考えながら走っています。
 東京マラソンは応募しても当選率1/10。しかし、高下駄の人や実行中継をする人、キリストの十字架を背負った裸足の人、キャッツのコスチュームの女性、芸能人の方なども見かけました。着ぐるみは苦しいと思います。走りに自身とゆとりが無ければできないことなのです。
 ゴール後は記念メダルとタオル、水やバナナ・ミカン・ソイジョイを頂きました。走った時間を送信するタグは返却不要。ダグは記念品にする人もいるでしょうが、返却した方がエコではないかと思いました。預けた手荷物もすぐ受け取れ、待ち合わせ場所では寒い中大勢の方が待っていました。ゴール地点でストレッチのコーナーがあると良いなあといつも思います。大勢のボランティアの方々にお世話になりました。次回はボランティアで参加したいと思います。
 さて、電車もタクシーも乗るのに混んでいるので、浜松町行きのバスがいいと聞いていましたので、そのルートで無事帰ることができました。TDJのメンバーは有明で慰労会をしましたが、私は家族の都合で参加できませんでした。多くの方が帰った後の方が交通網も空いていて良いかもしれません。次回参加なさる方は参考にして下さい。
 TDJの皆さんがいたから、マラソンに挑戦し、走ることができたと感謝しています。そして、練習はウソをつかないことを実感致しました。この経験を患者さんにも伝えています。
 「飴1個で5km走るんだよ~」(あめを良く食べる患者さんに)
 「練習はウソをつかない」(努力は報われる)
 「自分が進化するのが楽しい!」

東京マラソン2014


加藤内科クリニック(東京都葛飾区)
加藤 則子

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