日本糖尿病協会

TDJ活動レポート

完走!東京マラソン2013 2013年2月24日(日)

Last Update:2013年2月1日

TDJ活動レポート 2013年02月

完走!東京マラソン2013 2013年2月24日(日)

[当選~当日まで]

・勝利の知らせを伝えるため、名将ミルティアデスの命を受けマラトンからアテネまで走ったフィディピディス。そして暴君ディオニスから竹馬の友セリヌンティウスを救うため、村からシラクスまで走ったメロス。この2人が走ったおよそ40Kmの距離を、幸運にも東京で走ることになりました。

2009年6月27日にTEAM DIABETES JAPANの存在を知り、「いつかTDJのメンバーとして走りたい」そんな夢を持ち続けていました。今回、東京マラソン2013に見事当選。これを機に日本糖尿病協会に連絡して早速メンバー入り、やったぁ!と思ったもののランニングはド素人、練習方法が分からない…。まずは職場の先輩に聞こう、ウルトラマラソンも完走したって言ってたし。そういえば先日、書籍プレゼントで「皇居ランナーズ・バイブル」が当たったんだった、これを教科書に勉強しよう!ということで先輩のアドバイスを受け、皇居ランナーズ・バイブルを読み、練習開始。しかし最初は5Kmが精一杯、しかも4ヶ月後にはフルマラソンというプレッシャーがかかり、早期覚醒型の不眠症になってしまいました。どうせ眠れないならその時間を利用して走ろうと思い、練習は主に早朝に行いました。

・早朝練習は時間や季節の移り変わりを感じることができ、楽しく練習することができました。しかし毎回1人で走るのでちょっとつまらないなぁ、なんて思うことも。よく運動療法は20~30分は行ってくださいって言うけど「20~30分あったら、結構歩けるぞ?しかも1人でやってたら、絶対つまんないよな」なんて思いました。口では簡単に言えるけれど、いざ実行するとなると大違い。挫折する人の気持ちがよく分かりました。僕の場合は1人で走りながら「このペースでいいかな?フォームはこんな感じかな?」と考えたり、糖尿病川柳を考えたりしていたのであまり退屈しませんでしたが、1人で運動療法をする場合には何か工夫が必要だなと実感しました。

・練習自体はだんだん距離が伸びてきて、1月にはハーフを走ることができるようになりました。しかし2月に入ると仕事が忙しくなり、平日走ることができず主に週末10Km前後のみの練習となってしまいました。でも本番まであとわずかだし無理は禁物だと思って、疲労を残さずケガしない程度の練習にしました。そして前日のTDJ壮行会を経て、いざ当日!

ハイアットリージェンシーにて集合写真

[当日~完走まで]

・出走前にTDJのキャップとTシャツで記念撮影、その後は南先生から励ましの言葉をいただき、出発。スタート位置はかなり後ろで、実際にスタートゲートをくぐったのは9時31分39秒でした。ハイアットリージェンシー前で旗を持ったTDJのメンバーに手を振りながら「行ってきまぁ~す!」順調な滑り出しでしたが、初のフルマラソンということでまずは体力温存作戦、周りに流されずに1Kmあたり7分程度のペースで行くことにしました。しかし東京のド真ん中を堂々と走れるなんてラッキー!景色もいいし、関門も無事クリアできてるし…なんて思いながら走ることおよそ2時間、16Km付近(品川駅近辺)でTDJメンバーの応援さらには南先生から補助食の差し入れをいただき、ついに中間点の日比谷に突入。

20㎞過ぎ日本橋付近

・ここから先、僕にとっては未知の世界。給水と給食をこまめに取りながらペースを維持しつつ銀座へ向かうも、強い北風に吹かれて震えながらの走行。寒さがこんなに堪えるとは思いませんでした。この時、最初のペースを維持して走っていたつもりでしたが、実は北風での体力消耗によりペースダウンしており、それに気づかず「お、未知の世界だけど結構走れるぞ?スカイツリー綺麗だし、真正面から雷門も見れて最高!もう30Km超えたし、ラスト5Kmでちょっとペースアップできるかも」と、のん気に甘い考えで終盤へ。

・35Km超えて、いよいよ佃大橋。ここではウルトラマラソンの先輩に「佃大橋の36~37Km付近にいるから」と応援をいただく約束をした場所。沿道を気にしていたのですが、給水に気を取られしかも再び強い北風に吹かれて震えながら走ったため、一瞬失念。ふと思い出した時にはおよそ100~200m進んでおり、しまったと思いつつ引き返すわけにもいかず「会えなかったら謝っておこう」と気持ちを切り替え再び走行。そしたら36Kmのボードが見えて「あ、そういえば36~37Km付近って言ってたな」と思い出し沿道を気にしながら走っていると、僕を呼ぶ声が…見事に先輩を見つけることができました。応援とパイナップルの差し入れをいただき、再出発!

・残りあとわずか、ペースアップできるかも?と考えた38Km地点。このあたりから「あれ?あれれ?足があがらない…」そう、体力消耗と疲労がピークにきてしまったのです。しかし、沿道で応援してくれている人達のメッセージボード[ 足が痛いのは気のせい ]を見て「そう、気のせいだ!」また[ いつ頑張るの? 今でしょ! ]を見て「そう、今だよ!」と思い、沿道から流れてくる歌「負けないで もう少し 最後まで走り抜けて」を聴いて「そうだよ、歩いたら完『走』じゃなくなるんだ、最後まで走るんだ!」と思い、歩くのと同じくらいのスピードでしたが、必死で走りました。そして42Km手前、「TDJ!」の声に反応し見ると、旗を振って応援してくれているメンバーを見つけることができました。疲労がピークに達している時の応援、ちょっと背中を押してもらうことができ「Last 195m」のゲートをくぐり15時24分32秒にフィニッシュ!TDJのメンバーの中では最後となってしまいましたが、何とか完走できました。

初の東京マラソン

[走り終えて]

・誰でも人生や仕事に対して信条があると思いますが、僕の療養指導心得は
できないことばかりに目を向けるのではなく
できることに目を向けよう
できることに感謝しよう
です。TEAM DIABETES JAPANの基本概念「No Limit」とは言葉が違いますが、その根底には通じるものがあると思っています。今回、TEAM DIABETES JAPANのメンバーとして東京マラソンを完走できたことは誇りに思いますし、僕の心得も自分自身で証明できたと思っています。現在、僕は直接療養指導に携わっていませんが、このような形で活動することができて大変うれしく思っています。

最後に、僕を応援してくださった南先生をはじめとするTEAM DIABETES JAPANのメンバー、職場の方、そして家族に厚く御礼を申し上げます。

ありがとうございました。


薬剤師 阿部宏志
(日本糖尿病療養指導士)
(神奈川糖尿病療養指導士)

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