運動不足や食べすぎなどで増えてしまったおなか周りの脂肪が気になる季節です。脂肪細胞には白色脂肪細胞と褐色脂肪細胞の2種類があります。このうち褐色脂肪細胞にはエネルギーを熱に変えて消費するというはたらきがあり、うまく活性化すると肥満を解消することが期待できるといわれています。肥満症の治療法確立に向けて研究が進む褐色脂肪細胞について脇裕典先生が最新の知見を解説してくださいました。

わたしたちの体の中にはミトコンドリアという名前の小器官があります。このミトコンドリアの機能低下が糖尿病に関わりがあるといいます。そして、ミトコンドリアを活性化するには運動療法がいいということも分かってきましたが、糖尿病と運動療法とミトコンドリアにはどんな関係があるのでしょう。大阪産業大学の佐藤真治先生が詳しく解説してくださいました。

糖尿病の大きな問題はさまざまな合併症を引き起こすことです。合併症の中には大血管が障害され、その結果、心筋梗塞や脳卒中の原因となるものがあります。こうした大血管症を治療、進行を防止するための大規模な臨床試験「J-DOIT3」が、多くの糖尿病患者さんにご参加いただき行われました。今回は、このJ-DOIT3を中心となり進めてこられた植木浩二郎先生が詳しく解説してくださいました。

Jリーグに所属するプロサッカー選手としてプレーしていた23歳の時に1型糖尿病を発症し、その後10年にわたって現役生活を続けてきた杉山新さん。引退後は1型糖尿病の子どもたちを支援する活動に取り組み、2018年には日本糖尿病協会の小児糖尿病サマーキャンプ（以下、キャンプ）にも参加されています。同じく1型糖尿病である「さかえ」編集委員会の山本真吾委員を聞き手に迎え、1型糖尿病と共に歩んだサッカー人生や啓発に懸ける思いを伺いました。

若い世代の糖尿病の予防と治療に対する関心を高めることを目的に、全国の栄養士・管理栄養士を目指す学生を対象に「糖尿病予備群・糖尿病患者さん向けのおいしいレシピ」を募集する「チャレンジ！ 糖尿病いきいきレシピコンテスト」。
節目の第5回を迎え、「おいしい、バランスのよい手作りごはんで、健康＆幸せ家族を目指そう！」をテーマにレシピを募集したところ、全国から241件の応募があり、その中の12校14チームが東北・九州・関西で行われる最終選考に進みました。
初の3会場に分かれての開催となった最終選考と表彰式について、一番初めに行われた東北会場の模様をお伝えします。
（取材・文＝「さかえ」制作室）

近年、2型糖尿病治療の発展は目覚ましく、以前は血糖値に関係なく膵（すい）臓からインスリンを分泌させる、低血糖を起こしやすい薬剤が主流となっていました。しかし、現在では血糖値が高いときにのみインスリン分泌を促進したり、効果が発揮される、低血糖になりにくい薬剤が主流となっています。
そこで糖尿病治療薬について、新しい作用機序であるGLP–1受容体作動薬（注射薬）、SGLT2阻害薬、DPP–4阻害薬（内服薬）を含め、2回にわたり特徴を紹介していきます。第1回目である今回は、注射薬をご紹介します。

全国の小児糖尿病キャンプや糖尿病の講演会などに参加したインスリンメンターが、その活動内容を交代で報告します。