日本糖尿病協会は、糖尿病のある人、糖尿病領域で活躍する医療者、企業人などがともに手をとり、糖尿病に対する偏見をなくし、糖尿病とともに生きる人がいきいきと暮らすことができる社会づくりを目指しています。
社会における「糖尿病」の現状
糖尿病は、わが国では成人の4人に1人が関係する一般的な病気です。しかし残念ながら、社会における糖尿病の知識は正確なものばかりではありません。
近年、治療が飛躍的に向上し、血糖管理を適切に行えば、糖尿病のない人と変わらない生活を送ることができるにもかかわらず、古い疫学データに基づく判断により、必要なサービスが受けられない、就職や昇進に影響する、などの不利益を被るケースが報告されています。
糖尿病に対する社会的偏見は、不正確な情報・知識に基づく誤った認識(ことば)により生じることが多く、病態を正確に表していない病名や、糖尿病医療で使われる不適切な用語の使用によるマイナスイメージの拡散により、糖尿病のある人は自らに非がないにもかかわらず、社会から負の烙印(スティグマ)を押されます。
そして、こうしたスティグマを放置すると、糖尿病であることを周囲に隠す→適切な治療の機会損失→重症化→医療費増→社会保障を脅かす、という悪循環に陥り、個から社会全体のレベルまで、様々な影響を及ぼすことになります。
「糖尿病」の名称について考える
こうした背景から、日本糖尿病協会は、糖尿病を正しく理解していただき、偏見が生まれる環境を変える様々なアドボカシー活動を展開しています。そして、この活動に賛同してくださる方のお力をお借りしながら、「糖尿病」の名称変更の議論につなげたいと考えています。
私たちが広く市民の皆さんを対象に行った糖尿病の病名に関するアンケート調査でも、病名について様々な声が寄せられました。病名の変更だけですべての問題が解決できるわけではありませんが、こうした声は、社会を動かすきっかけになるのではないかと私たちは考えます。
ぜひご一緒に、糖尿病を正しく、深く理解できる、優しい社会づくりを目指しましょう。
公益社団法人日本糖尿病協会
「“ことば”を見直すプロジェクト」など、アドボカシー活動についてはこちらから