Last Update:2022年6月30日
2021年 Vol10. No.3(第45号)
2021年11月28日発行
特集

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特集
災害に強い糖尿病体制を作る
日本は自然災害が多い国の1つです。災害弱者ともいわれる糖尿病患者さんを支えるためには平時からの備えが重要です。本号では災害時の糖尿病患者さんへの支援について、日本糖尿病学会と日本糖尿病協会の連携による災害時の糖尿病医療支援チームDiaMATの活動や、西東京における地域ぐるみの災害への取り組み、栃木県における行政と県栄養士会の連携、熊本地震の経験を基にした看護の視点から見た糖尿病患者さんへの災害支援のポイント、災害現場における臨床検査支援活動、口腔ケア、リハビリテーション支援の重要性など、様々な立場から解説していただきました。読者の皆さまの施設や団体における糖尿病災害対策に、本特集をお役立ていただければ幸いです。
(秋田大学医学部附属病院 糖尿病・内分泌内科 脇裕典)
糖尿病の災害時支援体制
安西 慶三(佐賀大学)/荒木 栄一(熊本大学)…7P
災害時の糖尿病患者に必要な看護
川浪 美保(熊本中央病院)…11P
災害現場における臨床検査支援活動
諏訪部 章(岩手医科大学)…14P
大規模災害時の口腔ケアの重要性
中久木 康一(東京医科歯科大学)…17P
災害時における糖尿病患者さんへのリハビリテーション支援
下田 栄次(湘南医療大学)…21P
地域ぐるみの糖尿病災害の備えづくり
貴田岡 正史(一般社団法人 臨床糖尿病支援ネットワーク)…24P
行政管理栄養士だからできる災害への備えと支援
池内 寛子(栃木県保健福祉部)…28P
トピックス
「糖尿病医療者のための災害時糖尿病診療マニュアル」の英語ダイジェスト版の公開について
脇 裕典(秋田大学医学部附属病院)/門脇 孝(虎の門病院)…32P
連載「糖尿病診療update」
FreeStyleリブレで糖尿病療養指導はどう変わるのか?
今井 早紀(糖尿病・内分泌内科クリニックTOSAKI)…34P
連載「糖尿病診療update」
FreeStyleリブレで糖尿病療養指導はどう変わるのか?
この数年で糖尿病患者さんの血糖値を把握するデバイスの機能は広がりを見せています。特に連続グルコースモニタリング(CGM:Continuous Glucose Monitoring)やFGM(flashglucose monitoring)の普及により、今まで点でしかわからなかった血糖値が線でわかるようになり、1日を通した血糖変動を把握することが可能となりました。また、2020年からの新型コロナウイルスの流行により糖尿病患者さんの受診や診療体制に変化が見られました。2020年4月の診療報酬の改訂をきっかけにFreeStyleリブレフラッシュグルコースモニタリングシステム(以下リブレ)を診療に取り入れた施設も多いのではないでしょうか。今回は、日頃の診療でリブレを活用しながら我々医療スタッフがどのように関わることができるか、症例を提示しながらご紹介させていただきたいと思います。
運動時間を短縮できるインターバル運動
渡瀬 涼(関西電力病院)…41P
連載「糖尿病診療update」
運動時間を短縮できるインターバル運動
糖尿病治療の3本柱の1つに運動療法がありますが、本邦における糖尿病患者さんの運動療法の実施状況を調査した報告では、約半数の糖尿病患者さんが運動療法を実施できていないという結果でした。この報告の中で、運動療法を実施していない理由について「運動をする時間がない」と答える人が全体の41%を占めており、さらに運動を維持・継続するために重要と思う事項として「時間」を挙げる人が全体の60%に上りました。このように、ある程度まとまった「時間」が必要なことが、運動療法を実施する上で大きな制限因子となっており、運動時間の短縮、そして短時間でも効果を発揮する運動が求められています。そこで注目されているのが、“インターバル運動”です。
インターバル運動とは、通常のウォーキングのような低強度の運動の間に、速歩など活発的なウォーキングを挟み、低強度の運動と高強度の運動を交互に行う運動方法です。短い休息やゆったりした運動を高強度の運動の間に挟むことによって、運動の効果を高め、運動習慣のない人でも無理なく安全に続けることができ、運動意欲も向上させることができます。本稿では、糖尿病患者さんを対象としたインターバル運動の効果や最近の知見を紹介します。
糖尿病と認知症
野村 浩夫(日本赤十字社愛知医療センター名古屋第一病院)…48P
連載「糖尿病診療update」
糖尿病と認知症
国民皆保険において、在院日数の削減や生活の質(QOL)重視の姿勢から来る脱・医療施設化の流れは、未だ認知症高齢者の家族が在宅介護の中心として担う傾向にあります。認知症は進行性であるため徐々に判断能力は低下し、年を重ねるに従い生活の全般で家族支援を必要としていきます。それに家族は経済・肉体・精神的負担を強いられ、近年では「隠れた患者(hiddenpatients)」といわれるようになり、社会的にも介護者支援が望まれてきています。今回のテーマは「糖尿病と認知症」として、薬剤師の立場からご案内します。
症例クイズ
インスリンの保管についてのアドバイス
格谷 美奈子(富山大学附属病院)…55P
心筋梗塞後の運動指導について
村上 康朗(天理よろづ相談所病院)…57P
がん治療中の糖尿病患者さんへの服薬指導
滝澤 康志(飯山赤十字病院薬剤部)…59P
低血糖を呈したNASHによる肝硬変の患者さん
小清水 孝彦(虎の門病院)…61P
インフォメーション
第9回 日本糖尿病療養指導学術集会 開催のお知らせ…表2
日本糖尿病協会 動画シリーズ…2P
糖尿病療養指導カードシステム 講習会のお知らせ…54P
2021年度日本糖尿病協会研究助成募集…63P
日本糖尿病協会 療養グッズのご案内…表3
次号予告/編集後記/購読確認票…64P
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