第13回JADEC年次学術集会

Japan Association for Diabetes Education and Care

会長挨拶

本質を見抜くチカラ
  未来への扉を開く勇気

この言葉に、私たちの願いを込めました。

糖尿病・ダイアベティス医療は、いま大きな転換点にあります。

単なる代謝異常として捉えられる時代を越え、心血管疾患、腎障害、認知症、肥満、フレイルなど、多様な病態と深く関わる疾患として理解されるようになっています。さらに、診断・治療の進歩に加え、デジタル技術の導入、多職種連携の深化、当事者参画やアドボカシーの重要性が高まるなかで、医療の在り方そのものが大きく変わりつつあります。

こうした変化の中で、私たちは日々の臨床や研究、教育の現場において、多くの選択と判断を迫られています。そのときに問われるのは、「何が本質なのか」を見極める力であり、同時に、新たな価値や仕組みを受け入れ、未来に踏み出す勇気ではないでしょうか。

本学術集会では、まず「本質理解」と「多視点統合」を出発点とし、食事・運動・薬物療法・検査といった医療の根幹を改めて見つめ直します。さらに、医療の質や組織マネジメント、社会への情報発信、アドボカシー、そして医療DXなど、多様な領域を横断しながら議論を深めてまいります。そこでは、単なる知識の共有にとどまらず、異なる立場や価値観が交わることで、新たな視点と気づきが生まれることを期待しています。

もう一つの特徴は、「対話」と「交流」を重視している点にあります。シンポジウムや鼎談に加え、コントラバーシー、スモールグループディスカッション、体験型プログラムなどを通じて、参加者同士が率直に意見を交わし、ともに考える場を数多く設けました。医師、看護師、管理栄養士、薬剤師、リハビリテーション専門職、臨床検査技師といった医療者に加え、企業の皆さまや当事者の方々にもご参画いただき、多様な視点が交差する場となることを願っております。

企業との共創という新たな可能性にも挑戦しています。医療の現場で培われた実践知と、企業が有する技術や発想が結びつくことで、これまでにない価値が創出されると信じています。この場が、持続可能な医療と社会の実現に向けた新たな連携の起点となれば幸いです。

私たちのこの集いは、正解を提示する場ではありません。むしろ、それぞれの立場から率直に語り合い、ときに迷い、ときに立ち止まりながら、未来への道筋をともに見出していく場でありたいと考えています。

「本質を見抜くチカラ」と「未来への扉を開く勇気」を胸に、これからのより良い糖尿病医療の姿を、皆さまとともに描いていければ幸いです。

多くの皆さまのご参加を、心よりお待ち申し上げております。

第13回JADEC年次学術集会
会 長  津村 和大
川崎市立川崎病院 病態栄養治療部長
JADEC 業務執行理事・さかえ編集委員長

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