日本糖尿病協会

日糖協について

トホグリフロジンの安全性および有効性の検討 –前向き観察研究-(AYUMI)

Last Update:2021年8月27日
 

2019.4.1

協賛企業の興和創薬株式会社と興和株式会社の合併に伴い、業務委受託契約が興和株式会社に継承されました。

2018.4.1

協賛企業の興和株式会社の社内組織改編に伴い、業務委受託契約が興和創薬株式会社に継承されました。 

2018/1/9

本登録が10,000例突破しました!!
先生方のお力添えを頂き、目標登録例数の10,000例に無事到達しました。ひとえに先生方の努力の賜物と存じております。誠にありがとうございました。
症例登録に関しましては、下記の通り2018年の2月末まで登録可能とさせて頂きましたので、トホグリフロジンを投与された患者様が他にもおられましたら、引き続きご登録をご検討頂ければ幸いです。

AYUMI ニュースレター 号外

2017.12.27

ご参加の先生方のご協力を賜りまして、2017年12月27日現在、 目標症例数の10,000例間近となる9,773症例のご登録をいただいております。この状況を受けまして、誠に勝手ながら、登録受付期間を2018年2月末日にて締め切らせていただくことといたしました。ご了承下さい。
つきましては、期間内に、症例の本登録を完了していただけますようお願いいたします。仮登録のままですとその症例は採用できませんので、仮登録症例については、EDCのご案内をご確認の上、本登録を完了いただけますようお願い申し上げます。

AYUMIニュースレター Vol.5

研究の背景

 2型糖尿病治療の目標を達成するためには代謝異常の程度のみならず,年齢,肥満の程度,慢性合併症の有無,肝機能,腎機能,並びにインスリン分泌能,インスリン抵抗性の程度を考慮して治療を進めることが重要です。治療の基本は,食事療法,運動療法を含めた生活の改善であり,これらは薬物療法を開始した後も基礎治療として継続する必要があります。現在,日本において使用可能な経口血糖降下薬には,インスリン抵抗性改善薬(ビグアナイド薬,チアゾリジン薬),インスリン分泌促進薬(スルホニルウレア薬,速効型インスリン分泌促進薬,DPP-4阻害薬),食後高血糖改善薬(α-グルコシダーゼ阻害薬)があり,患者の病態に応じて単剤あるいは併用投与が行われています。また近年,非経口血糖降下薬であるグルカゴン様ペプチド–1 (GLP-1)受容体作動薬が承認され,臨床現場で使用されるようになっています。しかし,多くの薬剤が使用されているにも関わらず,既存の治療では合併症予防のための十分な管理が行われているとは言えず,また低血糖,体重増加などの各薬剤に特徴的な副作用が存在しています。

 このような状況の中,新規作用機序の経口糖尿病治療薬であるsodium-glucose co-transporter(SGLT)2阻害薬が新たな選択肢として加わりました。SGLT2阻害薬は,近位腎尿細管におけるグルコースの再吸収を阻害することにより,血液中のグルコースを尿中へ排出させ,血糖を低下させる薬剤です。本剤はインスリンを介さずに,空腹時および食後の高血糖を是正することに加え,低血糖のリスクが低く,体重減少作用を持つなど,既存の経口血糖降下薬の問題点を多く解決することが期待されています。

 しかしながら,SGLT2阻害薬は世界でも使用経験が浅く,本邦でも治験での限定された情報しかないため,実際の臨床現場での大規模な症例数による長期的な安全性や有効性に関する情報が必要です。 そこで今回,通常診療下での2型糖尿病患者に対するSGLT2阻害薬の安全性と有効性に関する情報を収集する研究を計画いたしました。多くの先生方にご参画頂き、糖尿病診療の向上に貢献したいと願っております。先生方におかれましては、この研究の趣旨をご理解頂き、何卒ご協力を賜りますよう、宜しくお願い申し上げます。

調査薬剤の決定と公募

 本研究における調査薬剤は、SGLT2阻害薬の中の一化合物を対象とすることとし,その化合物は、本研究の協賛企業の公募の結果により決定することといたしました。関係各企業に通知の上、本研究の協賛企業の公募を実施した結果、応募のあった興和株式会社を協賛企業と選定し、調査薬剤をトホグリフロジンといたしました。
 興和株式会社は委受託研究契約に基づき、日本糖尿病協会に研究資金を供給します。
 (2018.4.1)興和株式会社の社内組織改編に伴い、業務委受託契約が興和創薬株式会社に継承されました。 

 (2019.4.1)興和創薬株式会社と興和株式会社の合併に伴い、業務委受託契約が興和株式会社に継承されました。

研究の概要

1 目的

 トホグリフロジンの2型糖尿病患者に対する通常診療下における安全性および有効性に関する情報を収集する。(調査薬剤:トホグリフロジン(デベルザ錠20mg,アプルウェイ錠20mg))
 

2 研究の分類

 医師主導による前向き観察研究
 

3 対象

 2型糖尿病患者

 1)選択基準
 (適格性の確認時に以下のすべての項目を満たす患者を本研究の対象とする)

  (1)トホグリフロジン処方開始時に2型糖尿病と診断されている患者
  (2)通常診療下でトホグリフロジンを添付文書に規定された範囲内で,8週間以内に処方開始した患者
  (3)20歳以上の患者
  (4)トホグリフロジン処方開始以前にSGLT2阻害薬の使用経験がない患者

 2)除外基準
 (選択基準を満たしていても,以下の条件のいずれかに抵触する患者は本研究の対象としない)

  (1)トホグリフロジンの成分に対し過敏症の既往歴のある患者
  (2)重症ケトーシス,糖尿病性昏睡又は前昏睡のある患者
  (3)重症感染症,手術前後,重症な外傷のある患者
  (4)血液透析または腹膜透析を施行している末期腎不全患者
  (5)研究責任者・研究者が研究参加は不適当と判断した患者
 

4 研究デザイン

 多施設共同,非盲検,非対照,前向き観察研究
 

5 調査項目

 以下項目を電子症例報告書(EDCシステム)に入力する。

 1)患者背景
  患者登録番号,生年月,年齢,性別,身長,体重,合併症,既往歴,糖尿病罹病期間,
  糖尿病に対する前治療(食事・運動療法,薬物療法),
  糖尿病治療薬以外の併用薬剤(降圧薬,脂質低下薬,抗血小板薬),
  飲酒歴,喫煙歴,糖尿病家族歴(二親等まで)

 2)追跡項目
  (1)重点調査項目
   ・HbA1c(NGSP値),血糖値
   ・有害事象(副作用,臨床検査値異常およびその他の検査値異常を含む)
    事象名(原則として診断名),発現日,重篤度(重篤,非重篤),処置の有無,
    程度(軽度,中等度,重度),転帰(消失,軽減,不変,悪化),転帰日,
    トホグリフロジンとの因果関係(関連あり,関連あるかもしれない,関連なし)およびその判定理由

  (2)理学検査
   身長(ベースラインのみ),体重,血圧,心拍数

  (3)血液検査
   GOT(AST),GPT(ALT),γGTP,BUN,血清クレアチニン,血清アルブミン,総コレステロール,
   LDL-コレステロール(計算式),HDL-コレステロール,トリグリセリド,ヘマトクリット,
   Na,Cl,K,Ca,P,Mg,尿酸値

  (4)尿検査
   尿中ケトン体,尿蛋白,尿糖,尿中アルブミン,尿潜血,尿白血球

  (5)糖尿病治療情報
   トホグリフロジンの服薬状況,糖尿病治療併用薬,薬剤の変更理由,糖尿病合併症治療薬,
   食事療法の遵守度,運動療法の遵守度など
 

6 登録期間と追跡期間

1)登録期間
 2014年6月~2018年5月の208週間とする。
 登録期間中に目標症例数を達成した場合は,その時点で登録終了を考慮する。

登録期間は2018年2月28日で終了しました。

2)追跡期間
 最長104週間の調査とする。

7 目標症例数

 10,000例
 

8 参加予定施設

 (公社)日本糖尿病協会会員を中心とする糖尿病臨床医に調査協力を依頼し,当研究の主旨を承諾した医療機関(大学病院,基幹病院,開業医を含む)全国約1,000~2,000施設の参加を見込んでいる。
 1施設平均5~10例の症例登録を予定。
 参加施設一覧

9 留意事項

 各施設の研究責任者および研究者は、調査薬剤の使用にあたって、「SGLT2阻害薬の適正使用に関するRecommendation」(SGLT2阻害薬の適正使用に関する委員会)に留意すること。
 

お問い合わせ先

日本糖尿病協会事務局 03-3514-1721

shihara@nittokyo.or.jp

このページの先頭へ