新型インフルエンザの流行に伴い、糖尿病患者は重症化するとの報道がなされていますが、これについては正しい理解が必要です。
糖尿病そのものが状態を悪化させるわけではなく、血糖管理がきちんと行われている人は一般の人が新型インフルエンザにかかる場合と大きな差はありません。
しかし、糖尿病があっても治療を受けていない人、血糖管理の悪い人、合併症を持つ人(心臓、胃、神経障害など)は十分な注意を払わなければなりません。
このような患者では、発症するとそれだけで血糖値が大きく変動したり、容易に脱水が生じたりして、インフルエンザによる感染症のみならず、糖尿病の合併症も重症化しやすいと考えられます。特にインスリンを用いている患者では、今回の新型インフルエンザで発熱すると、食べ物が食べられなくなることがあるため、勝手にインスリンを中止して、血糖が著明に上昇することも予想されます。さらに、普段は経口薬で治療している患者も発熱によりインスリンが必要になることもあります。
糖尿病でありながら放置している人、血糖コントロールの悪い人、進行した合併症の人が新型インフルエンザにかかると、新型インフルエンザに対する対応とともに、血糖や全身管理が必要となります。したがって、糖尿病の人に新型インフルエンザが疑われる場合、インフルエンザの精査や処置のみならず、血糖、尿糖、尿ケトン体などの検査を受けて、状態を把握してもらうことが必要です。糖尿病にかかっているだけで重症化するわけでなく、冷静な対応が望まれます。